2024年04月26日( 金 )

「暴言復興大臣」問題の本質

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 NetIB-Newsでは、政治経済学者の植草一秀氏のブログ記事から一部を抜粋して紹介する。今回は、今村雅弘復興相の暴言とそれを伝えるメディアの本質について語った、4月26日付の記事を紹介する。


4月4日の会見で、今村雅弘復興相が、「こんなね、人を誹謗するようなことは許さんよ、絶対」「うるさい!」と激高した問題について、日本経済新聞が事実を微妙に歪曲した説明を付してネット上での世論調査を行った。これについて、本ブログ、メルマガの記事「ねつ造だらけのマスゴミ世論調査の深層」「今村復興相激高会見正当化が目的の日経『世論調査」」に論評を記述した。

日経新聞の世論調査はこちらで閲覧できる。
復興相、怒鳴るべきではなかった?

日経調査の質問文では、「この発言に納得しない記者は「福島県の内実とか、なぜ(自宅に)帰れないのかという実情を、大臣自身がご存じないからじゃないでしょうか。それを人のせいにするのは、僕はそれは……」と、たたみかけました。」の表現を盛り込んでいる。
この調査のあり方について私は、「今村復興相の良識ある対応に対して、記者が良識のない対応を示したために今村復興相が激高することになったとの『印象操作』を行っている」などの論評を示した。

日経新聞は、記者と今村復興相とのやり取りについて、今村復興相の「責任もってやっているじゃないですか、君は何て無礼なことを言うんだ!ここは公式の場なんだよ」という発言部分までを紹介し、「こう続いたところで、今村氏は無責任な回答をしたと断定されたことで「撤回しなさい」と感情的になり、これに対し記者は「撤回しません」と応酬。最後は今村氏が「出ていきなさい。もう二度と来ないでください」と声を荒らげたというのが一部始終です。」と説明した上で質問しているが、

「責任もってやっているじゃないですか、君は何て無礼なことを言うんだ!ここは公式の場なんだよ」
という今村復興相の発言のあとに、次のやり取りが続いていた。

記者「そうです」
今村「だからなんで無責任だと言うんだよ!」
記者「ですからちゃんと…」
今村「撤回しなさい!!!」
記者「撤回しません」
今村「しなさい!出て行きなさい!!もう二度とこないでくださいあなたは!!」
記者「はい、これはちゃんと記述に残してください」
今村「はいどうぞ!こんなね、人を誹謗するようなことは許さんよ、絶対」
記者「避難者を困らせてるのはあなたです」
今村「うるさい!!!!」
記者「路頭に迷わせないでください」

事実をありのままに伝えず、激高した肝心の部分を隠蔽したままで、「妥当かどうか」を質問するのは、あまりにも悪質な質問方式である。
安倍政権に媚びを売る日経新聞としては、今村復興相を擁護する調査結果を導きたかったのだろうが、その今村復興相が、さらに暴言を吐いて辞職に追い込まれた。

※続きは4月26日のメルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』」第1727号「『安倍一強』というメディア捏造の巨大フェイク」で。


▼関連リンク
・植草一秀の『知られざる真実』

 

 

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