2024年04月27日( 土 )

開催中止の筑後川マラソン 事務局対応にランナーから苦言

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 10月8日に開催が予定されていた「第14回筑後川マラソン」が9月10日、コース状態の悪化を理由に中止となったのは既報の通りだ。マラソンコースは筑後川の河川敷で、走路はいまだ土砂で覆われており、事務局はランナーの安全面を考慮して中止を判断した。

 「自然災害では仕方がない」と開催中止に理解を示すランナーもいる一方で、中止を発表したタイミングや返金なしという事務局の対応に、SNS上で不満の声を上げるランナーもいる。例年5,000人以上がエントリーする人気の大会だけに、不満の声も多い。

 参加申し込みが始まったのは6月1日で、7月15日に全種目のエントリーが申込多数により締め切られた。その間、7月5日、6日に豪雨に見舞われ、コースは被害を受けていた。甚大な被害であったが、参加ランナーの思いを事務局は汲んだのだろう。開催中止を発表することなく、コース復旧を待っていた。当然、申し込んだランナーは開催されることを信じて、練習に励んでいたのは言うまでもない。

 問題視されているのは、中止を発表したタイミングだ。9月5日、大会事務局が参加ランナーに向け、ゼッケン引換券を発送。わずかその5日後に、開催中止をサイト上で発表したのだ。「わずか5日で状況が変わるとは思えない。もっと早く中止の判断ができたはずだ」という意見が大会のフェイスブックに書き込まれている。

 もうひとつランナーが納得いかない点は、エントリー費用が返金されないことだ。申込規約では、諸事情で中止になった場合、エントリー費用は返金されないことになっている。これは大会当日、もしくは直前に台風などで急遽開催が中止となった場合を想定しての規約だと理解するのが一般的だ。今回は、開催の1カ月前に中止が決まっており、そのうえ上述したようにもっと早期に中止を判断できた可能性もある。

 同じく豪雨被害に遭った福岡県朝倉郡東峰村で開催予定だった、「第3回英彦山修験道トレイル in 東峰村」は8月14日に開催中止を決定。入金済みの参加費は翌年の大会参加費に充当、東峰村への募金、返金の3つから選択できるように対応している。大会中止の通知と同時に参加費の取り扱いにも触れており、参加予定者が混乱することはなかったようだ。

 筑後川マラソン事務局は9月14日、市民からの意見を受け、返金の検討を表明したが、参加予定だったランナーを納得させるまでに至っていない。地域と市民がひとつになってつくり上げてきた大会だけに、今後の事務局の対応が大会の未来を左右する。

【東城 洋平】

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・筑後川マラソン2017​

 

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