2024年04月26日( 金 )

「ゴジラで稼ぐ」東宝のG2戦略

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東宝のトップセールスマン、ゴジラ

 映画製作・興行などを手がける東宝(株)は、中期経営戦略を発表した。これによると、同社は今後3年間の連結営業利益の「巡航高度(推移)」400億円を確保するとしている。

 同社は、2018年2月期の決算短信(連結)で、営業収入2,426億6,800万円、営業利益475億8,600万円、経常利益486億4,500万円、当期純利益335億5,300万円を計上し、前期比増収増益をはたした。
 しかし、2019年2月期の連結業績予想では、営業収入2,292億円、営業利益380億円の計上で、減収減益を見込む。
 同社は、確実に中期経営目標を達成するために、突破(ブレイクスルー)戦略の1つとして“G2”戦略を掲げる。

 G2戦略とは、“G”ODZILLA(ゴジラ)を軸としたキャラクタービジネスの強化、日本の企画商品の“G”lobal(海外)展開の本格化の頭文字をとったもの。

 世界的な知名度を誇るゴジラのキャラクタービジネスの強化では、2017年10月、グッズショップ「ゴジラ・ストア Tokyo(所在地:東京都新宿区)」をオープンさせている。同ストアでは年間2億円の売上を目標に見据えるほか、ECサイトの拡充も図っていく方針で、リアルショップとECサイトの相乗効果で、さらなるファン獲得を目指す。

 海外展開に関しても、現在アメリカ本社の映画会社、レジェンダリー・ピクチャーズが「GODZILLA 2(2019年公開予定)」「GODZILLA vs .KONG(2020年公開予定)」を計画している。GODZILLA2には、東宝も製作出資から参画しており、これまでの商品化権収入にくわえ、世界市場であげた映画興行収入からの配分も得られるようになる。

 東宝はゴジラを軸に、計画通り連結営業利益巡航高度400億円を維持できるのか、動向が注目される。

【代 源太朗】

 

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