2024年04月27日( 土 )

田辺三菱が、免疫性難病の創薬研究を開始~コンソーシアムを発足

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 田辺三菱製薬(株)(本社:大阪市中央区、三津家正之社長)はこのほど、慶應義塾大学、高知大学、国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所、小野薬品工業(株)、第一三共(株)と共同で、免疫炎症性難病を対象とした創薬研究を行うことを目的に、「免疫炎症性難病創薬コンソーシアム(以下、本コンソーシアム)」を発足したと発表した。

 発足の背景には近年、免疫炎症性難病の改善・完治において、臨床検体を最新技術で解析したデータが創薬研究に活用されている一方、各種免疫炎症性難病の臨床検体数の収集の限界や研究費用のさらなる増加により、今後は従来のようなアカデミアと企業との1対1の共同研究だけでは効率的な新薬開発が難しくなっていくとみられている。

 本コンソーシアムでは、慶應義塾大学病院リウマチ・膠原病内科、消化器内科と高知大学医学部附属病院免疫難病センターが、複数の免疫炎症性難病患者を対象とした治療前後の臨床検体および疾患情報の収集を担い、国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所でこれらの臨床検体について遺伝子発現解析を含めた詳細かつ網羅的な解析を行う。

 蓄積されたデータベースを参画するアカデミアおよび製薬企業間で共有し、製薬企業各社は、このデータベースを活用し、免疫炎症性難病治療薬の創製をめざして独自の創薬研究に取り組む。各アカデミアは、研究成果をさらなる基礎・応用研究に役立てるとし、「これまでにない、ユニークな産学連携コンセプトのもとに運営される」としている。

 同社は「中期経営計画で自己免疫疾患を重点疾患領域の1つとしている。本コンソーシアムを通じた創薬研究に取り組むことにより、自己免疫疾患領域におけるパイプライン拡充を加速し、患者や医療関係者に新たな治療選択肢を提供することが可能になることが期待できる」としている。

 

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