2024年04月26日( 金 )

「お世話になった」経験をシステム化~ブロックチェーンで地方創生へ(後)

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(株)ハウインターナショナル 正田 英樹 代表取締役

 (株)ハウインターナショナルが掲げるビジョンは、「アジアのシリコンバレーe-ZUKAの実現」。地方経済の活性化、さらには“地方地域で暮らすモデルの実現”を目指し、地方で暮らしながら、新しい技術や知識を学べる環境をつくっていきたいという。同社の創業者であり社長を務める正田英樹氏に、飯塚の魅力と今後の活性化について話を聞いた。

地方活性化のためブロックチェーンにかける

 ――御社では、クラウドサービスや教育の質保証システム「ediea(エディア)」の提供のほか、最近ではブロックチェーンの研究開発に力を入れていますね。

(株)ハウインターナショナル 正田 英樹 代表取締役

 正田 近畿大学産業理工学部の山崎重一郎教授と共同研究を行っており、プラットフォーム技術によるP2P型電子投票システム「CongreChain」が、2016年の「第8回フクオカRuby大賞」(福岡県Ruby・コンテンツビジネス振興会議)の優秀賞を受賞しました。

 ブロックチェーンといえば、ビットコインなどの仮想通貨を思い浮かべる方が多いと思いますが、活用方法は仮想通貨だけではありません。弊社の研究は、ブロックチェーンを資産流通のプラットフォームとして着目しているところがポイントです。カラードコイン―ビットコインに「色」をつけることで、株式や金、不動産などデジタルから実物まであらゆる資産を担保に記載できるのです。

 ブロックチェーンには、いくつかの種類がありますが、オープンシステムでインターネットを活用した新しい認証の仕組みを推進していきたいと考えています。ブロックチェーンの活用によるコスト削減は当然ですが、管理者が不必要であり、かつ真正性が確保できるところがこの仕組みの特長です。これにより、小さな組織でも信頼性のあるサービスを実現できるのです。私は、このパブリック・ブロックチェーンこそが地方活性化へのカギを握ると考えています。

 ――ブロックチェーン研究開発では、日本以外での活動も活発ですね。

 正田 6月には、ブロックチェーンに関するイノベーション・ラボをクアラルンプール(マレーシア)にある世界最大級のFinTechスペースに、マレーシア政府機関と共同で運営する予定です(取材時点)。

 マレーシア政府と共同運営するに至った経緯には、縄田先生の存在が大きかったですね。かつて縄田先生が支援したマレーシア人留学生が、政府との架け橋となってくれたのです。私は本当に飯塚の方々に助けていただいています。その恩返しのためにも、飯塚発のテクノロジーベンチャーとして飯塚に根ざした企業活動を続け、若手の育成にも寄与していきたいですね。

(了)
【永上 隼人】

<プロフィール>
正田 英樹(しょうだ・ひでき)
1972年7月、山口県光市生まれ。九州工業大学出身。在学中から学生会会長として、地域活性化を目的に、飯塚市住民と学生の交流を主導してきた。

 
(前)

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