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分水嶺に立つ宅配水ビジネス(中)
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2013年9月10日 07:00

 前回触れたように、宅配水業界ではRO水と天然水が2つの勢力が並立している。このいずれがよいというのではない。方法論が違うだけである。RO水は水を何らかの方法(何でもよい。井戸だろうが、水道だろうが、野菜の搾り汁だろうが)で取得して、それを濾していく。その濾す過程こそが、最も大きなポイントである。要は非常に高性能な浄水器を通すようなものなのだ。しかるに、プラントも浄水器のようにつくられることとなる。目の粗いフィルターから徐々に細かくしていき、最後には逆浸透膜まで用いる。これで純水をつくることとなる。結果、製品として使用する以外に、半分近い水を捨てることにもなる。1リットルの水をつくるためには2リットル、あるいはそれ以上の水が必要とされる。

 一方、天然水は井戸が基本だ。井戸を掘って水を汲み上げ、それをボトリングする。それゆえポイントは井戸のある場所、ということになる。その場所にどのようなイメージが持たれているか、また、実際にどのような味わいがあるか、ということが重要になるのだ。RO水は、原料にかかわらず一定の品質が実現できる。それに引き替え、天然水は品質(味わい)は自然任せとは言え、地域のブランドを借りて事業することができる。ROと天然のいずれが強いか、いずれがよいか、ということではなく、同じ水という商材を用いていても、両者には基礎的な違いがあるということである。

 ちなみに、ガイドライン(ミネラルウォーター類の品質表示ガイドライン)で定められている水の種類は4つに分けられている。地下水を採取し、沈殿、濾過、加熱殺菌以外の物理的・科学的処理を行なわない「ナチュラルウォーター」、ナチュラルウォーターから地層中の無機塩類が溶解した地下水を原水とする「ナチュラルミネラルウォーター」、ナチュラルミネラルウォーターを原水として品質安定のためにミネラル調整や曝気(ばっき)、他水源からの水を混合などが行なわれているものに関しては「ミネラルウォーター」、これら3つ以外のものは「飲用水」もしくは「ボトルドウォーター」という区分となっている。

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<ロジスティックスとサーバーレンタル>
 水をつくり、もしくは汲み上げてボトルに詰めて売る。それだけならば、飲料メーカーと何ら変わらないし、飲料メーカーが実際にやっている。宅配水事業の特殊性は、水を宅配する、というところにある。

 単純な話だが、水は重い。一般的なウォーターサーバー用の水ボトルは12リットル。つまり12kgである。自宅まで持ち帰るとなると一苦労だ。連絡ひとつで宅配してくれるサービスは、水のような重量物には適したものと言える。また、専門業者が定期的に来てくれることで、サーバーの不具合などの早期発見にもつながるだろう。毎日飲むものだから、手軽に便利にという発想が、水の宅配事業の背景にあるようだ。
 加えて、サーバーの機能も重要だ。サーバーは主に冷水とお湯が出るようになっている。ウォーターサーバーを設置している方の多くが、水を直接飲むと言われている。おいしい水を冷たくして、そのまますぐ飲める、というのが大きなセールスポイントのようだ。

wakamizu_takuhai.jpg このような形態で、利益の上げ方はというと、まずは水の販売である。通常、よく見るタイプは水ボトル1本(基本的なボトルは12リットル=約3ガロン。「ガロンボトル」と言われる。ただし企業によって異なる)でいくら、という形態をとっている。この部分は従って、流動的なものとなる。それに加えて、多くの企業が導入しているのがサーバーのレンタル料だ。これは毎月固定金額を支払うことになる。この合算がユーザーの払う金額、ということになるのだ。また、場合によっては、解約時に解約手数料などが発生するケースもある。宅配の料金は別途かかるわけではないが、その分、サービスの料金は高めに設定されているのも特徴だ。

 ただし、この事業の先駆であるアクアクララジャパンが設立された2000年代のはじめと現在とでは、事情がかなり変化している。端的に言うと、宅配のメリットが下がってきているのである。アマゾン、楽天などの通信販売事業の発達と普及がその原因だ。重いものであろうと何だろうと、ワンクリックで自宅まで届けてくれる時代となった。宅配水業界に、インターネット通信販売という新たな競争相手が生まれたということだ。

 それだけではない。インターネットでの通信販売は、さまざまな種類の水を選ぶことができるメリットもある。RO水はもちろん、天然の水も国内外問わずいろいろな採水地を選ぶことができる。価格もさまざまだ。
 また、「重さも気にしない!」ということならば、スーパーなどで購入することも可能だ。2リットル入りのペットボトルでさまざまな水を購入することができる。商材は同じでも、サービスの違いで業界が変わるのである。

(つづく)
【柳 茂嘉】

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