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コダマの核心

企業・人、再生シリーズ(32)~ノンオーナー社長の長期政権の弊害、ハヤカワコーポレーション(1)
コダマの核心
2013年12月27日 07:00

<高塚猛氏を惜しむ>
img_3.jpg 月日の経つのは早いもの。人の記憶が薄れるのも早いものだ。まさしく無情さを感じられずにはおられない。福岡ドーム3点セットを再生させたのは高塚猛氏であることも忘れ去られてしまった。そして何も知らないファンはソフトバンクホークスの応援に明け暮れている。高塚氏本人は今、雪の降り続ける岩手県盛岡市の自宅で闘病生活しているのだ。1999年にダイエーオーナーであった中内氏の要請で福岡にやってきた。ミッションは【福岡ドームおよび3点セット】の再生であった。オーナー以上に使命感に燃えて短期間で再生の目途をつけたのである。この経営才覚は見事天晴れ!!
 ところが高塚氏を不運が襲い始めた。行政の金融指導が【長期借入を10年以内に完済】と騒ぎ立て始めた。延滞債権として認定し企業倒産扱いすることになったのだ。福岡ドーム3点セット事業は倒産扱いとなった。そして福岡ドームは禿鷹ファンドに売却された。その頃、高塚氏はダイヤモンド社に社長としてスカウトされていた。オーナー中内氏が身を引き禿鷹ファンド・コロニーに経営権が移った。この時点で福岡を立ち去って東京へ移れば良かったのである。ダイヤモンド社で思うままに、かつ充分に力が発揮できたであろう。本当に悔やまれる。

 ノンオーナー経営者の悲喜劇ドラマを語る場合、本当に高塚氏の存在は印象的だ。ついでにこの場を借りて言うならば、日産自動車のゴンさんもそろそろ身を引いたらいかがだろうか。ノンオーナーなのだから。「今が引きのタイミング。いい時期なのだ」と思う。
 
<19年の長期政権を担った松尾社長辞任の背景>
 ハヤカワコーポレーション・松尾盛安社長の退任ドラマをレポートするが、冒頭登場した方々と比べてみれば小物である。比較する彼らに申し訳立たない。しかし、中小企業にとって重要な経営教訓を材料があるので取り扱った。他人事ではないですぞ!!

 同社の会社概略は下記の資料を参照されたし。同社は福岡地区の管材業界(博水会)の中核を担う一社である。同社の松尾盛安社長が9月26日(登記では10月24日)に退任した。ある関係者は「松尾氏はかねてから『80歳まで社長をやる』と言っていたので今回の退任には驚いた」と語る。年明ければ71歳になる松尾氏は1994年から代表社長に就いて19年にも及ぶ。オーナー経営者でもないのに長期政権がどうして可能だったのか?答え*「オーナー会長に信任が厚かったからである」(登記簿謄本参照)。

早川商事登記

 松尾社長19年間体制の崩壊の動きはこのオーナー会長であった早川市郎氏が6月26日に66歳で死亡したことから一挙に始まる(本人は糖尿病で永く患っていた)。同社は6月決算期である。新人事を9月まで決定しなければならない。故人オーナーから信望があったからといって残されたオーナー一族から松尾氏に同様の高い評価を受けるとは限らない。いや警戒視されていたのが真実のようだ。
 「日頃からの株主一党への配慮が欠けていたのではないか」という節もみられる。「俺が経営してやっている」という傲慢さがオーナー一族に「会社を乗っ取られる」という不信感を与えたのであろう(早川会長も死期近くになって松尾社長長期政権に疑念を抱いていたようだ)。松尾自身が「会社の統治権力は株主過半数を握る者」という事実を忘却していたのである!!傲慢さからくる油断だ。勿論、本人は己の身を現役の賞味期限切れを忘れていたのである

(つづく)

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