人との出会いと運に導かれて　太陽のごとく学園を照らす

（学）国際学園　九州医療スポーツ専門学校　理事長
水嶋　章陽　氏

北部九州で屈指の医療系専門学校グループ

　人との出会いがどれだけ人生を豊かにし、生き方に大きな影響を与えるのか――（学）国際学園の理事長、水嶋章陽氏は人懐こい笑みを浮かべながら来し方を振り返る。

　「私の人生を決定づけたのは人との出会いです。そうじゃないと、駅前の『パチンコ大学』に日参していた私が〈理事長〉なんて呼ばれる立場になれるわけがない。そのことは絶対に忘れるべきではないと、自分を戒めています。」（水嶋理事長）

　国際学園は北九州市小倉北区に本部を置き、学生数約1,000人、従業員数約350人を数える、北部九州の医療系専門学校として屈指の学校グループに成長した。柔道整復学科や鍼灸学科、看護学科など11学科を擁し、グループ傘下には九州医療整形外科・内科リハビリテーションクリニックなど9つの法人や組合などが名を連ねる。さらに、運営する整骨院は直営とFC合わせて約100院。医療とスポーツの両領域を網羅した専門家育成機関としては北九州唯一で、大相撲を含むプロスポーツチームに数多くのトレーナーを派遣するほど、育成機関としてのレベルは高い。

ZERO100プロジェクトを実現する

　国際学園が掲げる理念「ZERO100プロジェクト」は、乳幼児から100歳までの幅広い年齢層の健康維持に携わることを、学園の使命として掲げて具体化したもの。今後は幼児から高齢者の健康維持まで含めた「健康村」構想の具体化を目指しており、大学化も含めた長期計画に取りかかったところだ。

　水嶋理事長が柔道整復師の道に進んだのは、まったくの偶然だった。父親の知人に紹介されて大阪の専門学校に進学。当時夢中になっていたパチンコに勝ちすぎて遅刻した受験日のことは、今でも鮮明に覚えている。住み込みで働いた修行時代から、お客さんの相手をするのが楽しかった。なんの取り柄もないと思い込んでいた自分を「先生」と呼んで頼ってくれることがうれしくて仕方なく、「これは天職だ」と覚悟を決め、困難を乗り越えて開業にこぎつけた。一国一城の主、と一息ついたころに多店舗運営を決意した転機も、父親が病気で倒れたことだった。

　「自分から主体的に動いたというよりも、与えられた課題や宿題を解決することに懸命に取り組んでいたら、いつの間にか組織が大きくなったという感じなんです。何かに導かれたというか」（同）。

　2018年に、長年水嶋理事長を支えてきた妻の寿子さんが亡くなった（享年52）ことも、水島理事長の人生観を大きく揺さぶったという。いまは、17歳の娘とのささやかな日常の一コマに一喜一憂する、シングルファーザーとしても奮闘中だ。

　「きっと妻は、私に大きな宿題を残してくれたのだと思います。仕事ばかりで家庭に向き合ってこなかったので、『子育てを通してもっと成長しなさい』ということなのでしょう。最後にもうひとふんばり、天国で待っている妻に叱られないように、真正面から人生に向き合いたいと思います」。水嶋理事長はそう言って微笑んだ。

＜INFORMATION＞
代　表：水嶋　章陽
所在地：北九州市小倉北区馬借1-1-2
設　立：1959年10月（国際学園）
ＴＥＬ：093-531-5331
ＵＲＬ：https://www.kmsv.jp

＜プロフィール＞
水嶋章陽（みずしま　あきひこ）
1961年北九州市生まれ。82年、行岡保健衛生学園卒業（柔道整復師免許取得）、87年、湯川整骨院開業、98年、ナショナル整体医学院開校、2001年 （有）メディカルネットサービス設立、02年、統合整体北九州（協）設立、04年、柔道整復師教員免許取得、06年 メディカル社を株式会社化、08年、（学）国際学園九州医療スポーツ専門学校開校、13年、（公財）日本健康スポーツ連盟副理事長就任、16年、同連盟理事長就任。