中小企業の事業承継と民事信託～CRCがセミナーを開催

　企業再建・承継コンサルタント協同組合（東京都千代田区、真部敏巳代表理事、以下略称「CRC」）主催の「第8回事業承継マネージャー養成講座」（詳細は下記）が来年1月にスタートするのに先立ち、そのプレセミナーとして「中小企業経営者の事業承継の課題整理と民事信託活用！今だからこそ会社の継ぎ方、経営・資産承継を学ぶ！」（主催：CRC経営革新等支援機関・事業承継塾事務局、共催：アセットパートナーズグループ）が、15日に福岡市中央区のTKPガーデンシティで開催された。

　CRCは2001年11月に経済産業省より法人として認可を受け設立。経営改善型の「自主再建・承継」に関するコンサルティングや実行支援を手がけている。

　セミナーは2部構成で、第1部ではCRC代表理事・アセットパートナーズグループCEOの真部敏巳氏が「～中小企業が成功する『承継』戦略～　経営承継の成功戦略　強い企業作りを」をテーマに講演を行った。

    真部氏は講演で、承継の具体的な進め方や、親族内・親族外承継それぞれのメリット・デメリットなどのほか、「所有と経営の分離」の必要性について説明。「所有と経営の分離が不十分な企業は、オーナー経営者自らが営業活動を行いながら、部下の管理、資金繰りの管理などを行う必要に迫られる。そうした状況で、承継問題が顕在化すると企業自体の存続が危ぶまれてしまう」としたうえで「所有と経営を分離することで、事業承継と経営承継を混同することなく、次代に会社を引き継ぐことができる」と述べた。

    第2部は行政書士みゆき法務事務所の佐藤賢太氏による講演「民事信託の活用と事例」が行われた。佐藤氏は信託について、実際に受けた相談事例を挙げながら説明。信託を活用することで得られるメリットなどを紹介していった。

　講演終了後には、CRCが毎年開催している「ターンアラウンドマネージャー（TAM）養成講座」の合格者に対する合格書授与式が行われ、今セミナーに出席した2名の合格者に対し、真部氏から合格書が授与された。

【新貝　竜也】