ヨーロッパ

　スペインの北西部ガリシア地方は、アイルランドなどと同じくケルト民族の土地である。

　フランスからスペインに戻ってみると、やたらにトヨタ車が目につく。そんなに売れているのか。他の日本車はと探すのだが、日産もホンダもマツダもたまに見つかる程度。

　かつては森鷗外など日本からの留学生がインド洋を航海し、スエズ運河を越えて地中海入りし、ヨーロッパにようやく辿り着いたその玄関口がマルセイユである。

　移民問題で悩む点で、フランスはヨーロッパ先進国の代表といえる。この国の問題は、ナチスの悪夢に苦しんだ挙句「民主国家」を樹立したドイツと異なり、18世紀末のフランス革命で確立された「自由・平等・博愛」を国是としている点にある。

　ポルトガルのリスボンからフランスのボルドーにやってきて感じるのは、ここはヨーロッパだということだ。何が違うのか。一番強く感じるのは、ここには「人間」が不在だということだ。

　現在ポルトガルにいて、毎日テレビのニュース番組を見ている。その報道の仕方から、ヨーロッパの政治事情のひどさを感じている。日本のほうがマシだとはいうまい。だが、今回はヨーロッパに的を絞る。