2024年04月26日( 金 )

進化するインドと日本の同盟関係 深まる安倍・モディ首相の親密度(前編)

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 NetIB-Newsでは、「未来トレンド分析シリーズ」の連載でもお馴染みの国際政治経済学者の浜田和幸氏のメルマガ「浜田和幸の世界最新トレンドとビジネスチャンス」から、一部を抜粋して紹介する。今回は、9月1日付の記事を紹介する。


 相次ぐ北朝鮮のミサイル発射という挑発行為に対して、国際社会は右往左往するばかりだ。国連の安保理が決定した名ばかりの経済制裁と中国頼みの圧力では、一向に金正恩の暴走に歯止めをかけることはできそうにない。
 これらはアメリカの対外的な指導力の低下をはじめ、中国やインドの台頭など、アジア、世界を取り巻く政治、経済、安全保障環境が目まぐるしく変化していることの結果に過ぎない。こうした情勢変化を冷静に把握しておかねば、政治的決断はもとよりビジネス上の経営判断もうまく下せないだろう。
 どの国と、あるいはどの企業と連携すべきか。国家や企業の命運を左右するのは目に見える部分に惑わされず、見えない部分の動きを正確に理解する力があるかどうかである。今こそ、北朝鮮問題の暴発を抑えるためにも、ピョンヤンと経済的結びつきの太い欧米諸国、特に英国、そしてロシア、中国、インドなどとも創造的な外交を展開すべき時代だ。
 日本の近未来に大きく影響するに違いない動きが各地で見られる。例えば、近年、南シナ海に面するベトナムではカムラン湾で国際港の開港式典が挙行された。わが国では南シナ海といえば、中国による岩礁の埋め立てと軍事拠点化に関する報道が主流であるが、一方の主役であるベトナムについての情報は限られている。
 アセアン経済の牽引車ともいわれるベトナムは既に1億人近い人口を擁し、日本との関係強化に一際熱心である。カムラン湾の整備拡張についても、日本との交易増加を見込んだもの。今後は外国の軍艦、民間船いずれも使用可となる。
 実は、カムラン湾はベトナムきっての軍事要衝に他ならない。これまで外国軍艦の寄港を厳しく制限してきたものだ。しかし、日本とベトナムは2015年11月、海上自衛隊の艦船の寄港で合意した。また、初の海軍合同演習を実施することでも合意に至った。日本ではほとんどニュースにならなかったが、世界からは注目を集めたものである。この合意を受け、日本の海上自衛隊の護衛艦がカムラン湾を訪問。外国の軍艦としては第1号となったため、ベトナムでは盛大な歓迎式典が挙行された。
 日本の誇る潜水艦「うずしお」と護衛艦2隻が先ずはフィリピンを訪問し、その後、ベトナムへ向かった。わが国の潜水艦がフィリピンに寄港するのは過去15年において初めてのこと。まさに日本とアジア諸国との信頼関係の強化を象徴する動きといえよう。

※続きは9月1日のメルマガ版「世界最新トレンドとビジネスチャンス」第79回「進化するインドと日本の同盟関係:深まる安倍・モディ首相の親密度(前編)」で。


著者:浜田和幸
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