2024年04月29日( 月 )

元「鉄人」衣笠氏が斬る!~カープの連覇

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 昨年は交流戦の時にオリックス、西武の2つのチームが終盤戦に向かうカープに大いに勢いをつけてくれました。交流戦が終わった時にセ・リーグでトップに飛び出しそうになっており、特にチームに若い鈴木誠也選手をスターとして誕生させてくれたオリックスの平野佳寿投手、彼に大いに感謝したことを覚えております。

 3日に渡り鈴木選手が活躍して、大いに彼が打撃に自信を持てるようになったと思います。

 ベテランの新井貴浩選手、若い鈴木選手、チームは一気に走りました。1番の田中広輔選手、2番の菊池涼介選手、3番の丸佳浩選手がしっかりと仕事をして相手投手を苦しめ、エルドレッド選手が本塁打を連発し、松山竜平選手、安部選手、西川龍馬選手、野間峻祥選手ら、打撃陣は本当に昨年いい経験をして、多くの選手が打撃に自信を持てるようになった。その影響で夏には独走の形ができ、周りから見ると優勝に一直線のように見えたことだろう。

 投手陣も黒田博樹投手がチームの若手をうまく刺激してくれ、若手が頑張る道筋をつけてくれた。特に野村祐輔投手がこの黒田投手のマウンドでの立ち振る舞いをしっかりと勉強したように思う。ここ何年少しずつ投球に進歩を見せていた野村投手が一気に「投球術」に確信を持ったように見える今年のマウンド、昨年黒田投手の影響はあきらかだろう。そして、ジョンソン投手の頑張り。本当に素晴らしい投球でチームに貢献してくれた。

 投打ともに順調に不安なく優勝のゴールにたどり着いた昨年は、社会人野球、プロ野球のメッカである東京後楽園にある「東京ドーム」で多くのファンに囲まれて優勝の胴上げをする機会をいただき、今年に繋げたように思える。

 2017年、開幕から選手たちは新たな挑戦を見せて、昨年日本シリーズでの敗戦を大きな反省材料にして「日本一」を何としても目指して頑張るんだ、そんな気迫を見せての開幕からの戦いをしてきた。セ・リーグの優勝が早く決まった事もあるが、地元での1戦、2戦を呆気なく勝利したことでかえってプレッシャーになったのか?北海道での戦いは自分たちの野球が全く出せず敗戦。これが今年の大きなエネルギーになっているように感じた開幕、ここから選手たちが経験を積み、今年の新たな挑戦に踏み出したシーズンのように見えた。

 昨年にまして1番、2番、3番の田中、菊池、丸選手の3人は完成に近づき、4番に若い鈴木選手がしっかりとテストに合格して、安部選手が3塁のポジションを確定する活躍を見せて、松山選手や鈴木選手が怪我をしたあと大活躍をして穴を作らなかった。この働きは本当に大きいと思う。今迄しっかりと練習してきた姿が思い出される。

 捕手の會澤翼選手もよく頑張って、ときどき石原慶幸選手に助けてもらうところはあるが、今年は本当によく頑張ったと思う。若い投手たちを励まし、引っ張り、のびのびと投げさせ、持っている力を出させたと思う。

 野村投手を中心に、若い投手が大いに成長したシーズンだと思う。少し問題があったところは中継ぎ、抑えが昨年より少しだけ不安な面を見せたが、十分に修正できるだろう。いいチームになった。勝つということは本当に素晴らしいプレゼントをチームにくれるものだ。

 そのチームが青空の下、甲子園という高校野球の聖地で、赤いユニフォームがグラウンドで、スタンドで、躍動し、歓喜を爆発させた。全国のファンの目に止まったことでしょう。素晴らしい光景でした。若い選手たちが元気に1年頑張り「優勝」を勝ち取りました。これで昨年はたせなかった「日本一」への挑戦権の最初のチケットを手にしました。これから2枚目のチケットを手に入れて挑戦することでしょう。

 それにしてももう8回目です。素晴らしいカープの優勝、信じられません。1965年に入団した私からすると信じられない出来事と思います。私の年代ですらそうですから、それ以前に入団された先輩方々はどんな気持ちで今日の光景をご覧になっているのでしょうか?来る日も来る日も黒星の日々を経験してきた先輩や、ファンの方々、こんなチームができましたよ!!!て教えてあげたい気持ちです。そして一緒に楽しみましょう!!!喜びましょう!!!そして祝杯をあげましょう!!

2017年9月20日
衣笠 祥雄

 

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