2024年04月26日( 金 )

九州地銀の17年9月期(中間)決算を検証する(1)

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1.中間決算の発表日

◆九州地銀(18行)の18年3月期 第2四半期17年9月期(中間)決算が出揃った。【表1】【表2】を見ていただきたい。今年トップで発表したのは十八銀行と佐賀銀行の2行だった。十八銀行はふくおかFGとの経営統合が無期延期(白紙)となったこともあり、昨年より一日早く業績を発表している。

◆昨年のトップは西日本FH。16年10月3日に新しく誕生したため、業績を少しでも早く株主に知らせ、安心させる意味があったと思われる。昨年最終発表したのは九州FG(肥後銀行・鹿児島銀行)だけだったが、今年は福岡中央銀行と豊和銀行の2行が加わった。決算発表日をよく見ると、それぞれの銀行に思惑があるようだ。

2.九州地銀(18行)の総資産残高順位表について

 【表3】を見ていただきたい。

この表から見えるもの

◆17年9月期(中間)の総資産残高の順位表である。1位の福岡銀行から18位の佐賀共栄銀行まで、前期順位のままで変動はなかった。

◆総資産が前期比マイナスとなったのは3行。十八銀行は前期比▲494億円と大きく減少している。ふくおかFGとの経営統合が無期延期となったことが大きく影響しているようだ。佐賀銀行▲115億円。宮崎銀行▲52億円。ともに貸出金が思うように伸びなかったことがその要因。

◆ふくおかFG傘下の3行が大きく増加させているのが目立つ。福岡銀行は前期比+6,140億円。親和銀行+1,521億円。熊本銀行+1,264億円。グループ単体の合計増加額は8,925億円で、九州地銀の前期比1兆5,300億円の6割近くを占めており、大きく攻勢をかけているのがわかる。

・次が西日本シティ銀行で+3,830億円。続くのが九州FG傘下の2行で肥後銀行+883億円、鹿児島銀行+612億円の計1,495億円。長崎銀行を除くFG・FH傘下の銀行が大きく増加させているが、単独の地銀は苦戦しているのがわかる。

ふくおかFGが総資産トップの座に復帰

◆ふくおかFGは、2007年の発足以来ずっと総資産で地銀トップの座を占めていたが、昨年4月に横浜銀行と東日本銀行が経営統合してコンコルディアFGが発足したため、その座を失っていた。十八銀行との経営統合によりその座を取り戻す予定だったようだが、公取委の「待った」で経営統合は白紙に。そのためグループ全体が奮起したのだろう。

 【表4】を見ていただきたい。ふくおかFGの連結総資産は前期比+7,290億円と大幅に増加。一方コンコルディアFGは▲1,479億円だったため、17年9月期(中間)決算に再びトップの座を取り戻した。はたしてコンコルディアFGの反撃はあるのだろうか。

(つづく)
【(株)データ・マックス顧問 浜崎 裕治】

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