2024年11月01日( 金 )

美談の裏で─ライオンズクラブ337-A地区と朝倉災害支援─(4)

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地域社会貢献の本質とは

 大きな被害に見舞われた朝倉市立松末小学校(2018年3月閉校)の復旧活動の先陣を切り、地域を一体にするきっかけをつくった公益財団法人朝倉青年会議所(以下朝倉JC)。

 朝倉JCが発表している復旧活動の結果と地域への影響について、「当初の目的以上に、子どもたちのために地域内外問わず一体となった事業となりました。ほかの団体をも動かす事業となり、ライオンズクラブ(以下LC)の出資、活動により、コンクリートむき出しとなった体育館の床が、きれいな板張りの床へ復旧し、盛大な最後の卒業式、閉校式を開催することができました。さらに連日のように各種メディアに取り上げていただきました。そして今も復旧復興の最中ですが、何とか4校揃って無事に卒業式、閉校式を迎えられました。各メディアの報道により事業開催地域にとどまらず、全国に本事業の背景、目的、効果を発信することができたと考えます。なによりも、この大きな動きのなかで、被災した子どもたちも参加し、自分たちの育った地域の活動に、より大きな郷土愛を育むことができたと確信しております。また、地域の方々の郷土愛への大きさ、子どもたちへのおもいが感じ取れる事業になったと確信します。まだまだ、復興へは遠い道のりですが、子どもたちとその周りの大人たちが一緒になり、助け合いながら今後の復興へ上を向いて進んでいくことと確信します」と述べられている。

 また、結びとして「私たち朝倉JCは、災害が発災しさまざまな体験をしたことで朝倉地域の将来を真剣に考えるきっかけができました」と記されている。

 この朝倉JCの復旧活動についてLC337-A地区2リジョン(R)に属するクラブのメンバーは、「朝倉JCさんが実行された復旧活動、これこそが地域社会貢献の本質です。何の見返りも求めずに、ただひたすら地域のおもいに応えるために一心不乱に活動したこと。そして、朝倉JCの方々が、地域社会に必要とされている組織であることが改めてわかったのです。LCのスローガン“We Serve”そのものであり、学ぶべき点が多いですね」と語った。

 朝倉JCの復旧活動により、同校および体育館など施設内の土砂や流木などは除去されたが、前述した通り、体育館の床はコンクリートが剥き出しの状態で、使用することができなかった。もし使用するならば床の改修工事が必要で、当然ながら工事費用が発生する。同校は朝倉市・同市教育委員会の所管だが、残念ながら、市の予算では、同校の床改修を施工することはできないという判断が下された。

 地域住民からの「何とかきれいな床の体育館で、最後の卒業生を送り出し、閉校式を迎えたい」という強い想いがあったものの、朝倉市の予算執行は不可能。朝倉JCも「残念ながら床工事の支援は、予算的に厳しくできませんでした」(朝倉JC幹部)。

 同校体育館の床改修工事は、苦境に立たされることになる。

【河原 清明】
(つづく)

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