ライフデザイン・カバヤが推進する新建材・CLT
-
CLTのメリット
ライフデザイン・カバヤ(株)の開発本部広報課・丹原浩司氏は、CLTのメリットについて「CLTならばまったく新しい意匠の建物が建てられます。今までは鉄筋コンクリート造や鉄骨造でないと不可能であった1mを超えるオーバーハングが可能になりました。また、CLTをコアで配置することで、雑壁に自由度をもたせることができるようになり、さらには木造と相性の悪かったカーテンウォールなどが使用することができます」(01)と話す。
建築といえば、一般住宅に多い木造、マンションやアパートなどに多い鉄骨造、RC造があるが、基本的に三角形の骨組みの集合体であるトラス構造か、四角形の骨組みのラーメン構造が基本で、使われている材料が違うだけである。柱と梁が構造の基本の「線設計」だ。それに対してCLTは壁が基本の「面設計」と言っていいだろう。壁自体が構造体なので柱や梁が不要なのだ。そのため、これまでとは違う考えでデザイン性の高い建築物を建てることが可能となる。
CLTは間伐材の活用にも有効だという。丹原氏は「植樹から40年から50年経過した木はCO₂を吸収して酸素を排出する能力が弱くなるので計画的に伐採してCO₂を固定化した方が環境には良いとされています。その他、企業イメージの向上も期待できます。CLTを用いた社員寮や社屋を建てることにより、SDGsの観点から新卒募集の応募が増えた例があり、CLT物件を完成させることでメディアにその会社が取り上げられるケースも見込まれます」と話す。
ただ、「林業従事者の減少も課題です。その土地の持ち主を記した土地台帳の整備から始める必要があります」(丹原氏)と材料確保に関する課題も加える。
CLT:(一社)日本CLT協会によると、CLTとはCross Laminated Timberの略称で、ひき板(ラミナ)を並べ、繊維方向が直交するように積層接着した木質系材料のこと。厚みのある大きな板であり、建築の構造材としてだけではなく、土木用材、家具などにも使用される素材。それ単体で構造躯体となるので建物を支えるとともに、木としての性能として断熱性や遮炎性、遮熱性、遮音性などの効果が期待できるという。現場加工ではなく、工場内で一部の材料を組み立ててから現場に搬入するプレファブ化による施工なので工期短縮が期待でき、接合具がシンプルなので熟練工でなくとも施工が可能だという。近年、東京オリンピックでもパビリオン棟の建築に採用されるなど注目されている。
【外部ライター・奥野 晃市】
- 1
- 2
月刊誌 I・Bまちづくりに記事を書きませんか?
福岡のまちに関すること、再開発に関すること、建設・不動産業界に関することなどをテーマにオリジナル記事を執筆いただける方を募集しております。
記事の内容は、インタビュー、エリア紹介、業界の課題、統計情報の分析などです。詳しくは掲載実績をご参照ください。
企画から取材、写真撮影、執筆までできる方を募集しております。また、こちらから内容をオーダーすることもございます。報酬は1記事1万円程度から。現在、業界に身を置いている方や趣味で再開発に興味がある方なども大歓迎です。
ご応募いただける場合は、こちらまで。その際、あらかじめ執筆した記事を添付いただけるとスムーズです。不明点ございましたらお気軽にお問い合わせください。(返信にお時間いただく可能性がございます)法人名
関連キーワード
関連記事
2024年5月2日 15:452024年5月2日 11:302024年4月30日 10:082024年5月2日 18:002024年5月2日 17:502024年5月1日 15:002024年4月25日 14:00
最近の人気記事
まちかど風景
- 優良企業を集めた求人サイト
-
Premium Search 求人を探す
- 業界注目!特集
-
産廃処理最前線
サステナブルな社会を目指す
- MAX WORLD監修
-
パーム油やPKSの情報を発信
パームエナジーニュース