2024年05月08日( 水 )

連続誤表記のヌルボン 問われる競争力

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 2月、4月と連続してメニューの誤表記が発覚したJR九州子会社の焼肉チェーンの(株)ヌルボン。同時期にJR九州フードサービスでも誤表記が発覚したことで注目が集まったが、2月に発覚した産地に関わる誤表記は、JR九州に買収される以前から続いていたものだった。また4月に発覚した成分に関わる誤表記は、社内チェック漏れによるものであり、意図的なものでなかった。いわばコンプライアンスが強化されたことで発覚したといえる。

 むしろ問われているのは焼肉店としての競争力だろう。高質な肉を手頃な価格で食べ放題で提供するスタイルは、当初ファミリー層に圧倒的な支持を受けたが、スケールメリットに勝る中央の大手競合が同様のスタイルで九州に攻め込んできている。こうしたなかで、ヌルボンは今春博多駅にビジネス層や観光客をターゲットとした単品・コースを中心としたメニューの新業態で久々の新規出店を行った。「ホスピタリティの高さはさすがヌルボン」と上場の滑り出しを見せている。とはいえ、東京進出を視野にいれたコロナ下でのJR九州によるM&Aだったものの、総店舗数は伸び悩む。今後の業容拡大に向けて「簡単そうで難しい焼肉業態」(飲食業関係者)を生き抜く総合力が求められている。

【鹿島 譲二】

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