2024年04月29日( 月 )

来友会と築く 福岡の未来図(前)

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(株)未来図建設
代表取締役 菅原 正道 氏

(株)未来図建設 代表取締役 菅原正道 氏

活況の福岡建設市場

 ──福岡市での事業環境についてどう見ていますか。

 菅原 福岡市では近年、大型の建設プロジェクトが増えており、当社を含めた地場ゼネコンも大型工事に関わるケースが増えてきています。大型工事はこれまで、スーパーゼネコンをはじめとした大手ゼネコンが手がけるケースが多かったのですが、オリンピックや東京の大型再開発による影響で、大手ゼネコンがこれ以上件数を抱えきれなくなったという事情があります。また、地場ゼネコンが技術力を高めてきており、以前よりも難度の高い案件を引き受けられるようになったことも挙げられます。特殊工事はまた別ですが、地場ゼネコンはじめ福岡の開発事業者が力を付けてきていることを実感しています。

 地場ゼネコン各社は年内の予定はすでに引き受けている案件で埋まっているという状況のようですが、何年もこのような状況が続くわけではなく、いずれは受注競争が激しくなっていくのではないかと思います。

 ──現在の受注構成はいかがでしょう。

 菅原 当社の受注構成は約7割が賃貸マンションです。残りの3割が病院、テナントビルなどの施設で、最近は物流施設の受注も増えています。福岡市内はもちろん都市圏では物流施設に適した広大な空き地が限られますが、小郡市や久山町などでは物流倉庫がどんどん建設されており、規模が大きなものが増えてきています。

ストック強化へ

 ──会社の基盤をより強固なものとしていくため、どのようなことをお考えですか。

 菅原 建設工事においては、地場のゼネコン各社と差別化を図ろうとしてもそれほど大きな差異はないと思います。当社としては賃貸収入でより大きな収益を上げられるように、賃貸収入を累積していける物件を増やしていきたいと思っています。

 22年には、地上14階・PH1階のオフィスビル「博多駅センタータワー」(福岡市博多区)を自社物件として開発しました。博多駅博多口から徒歩2分と非常に利便性が高い立地です。近年は受注が比較的良好な状態が続いていますので、こうした時期に会社の今後の資産となるものをつくっていきたいと考えています。

博多駅センタータワー外観
博多駅センタータワー外観

    また、東京支店のスタッフを拡充していくことができれば、受注を増やして事業を拡大していくことができると思っています。ただ、本社がある福岡の案件も多くしばらくは福岡から人員を割く余力がないため、東京での事業拡大はもう少し先ということになると思います。

 私の考えを若い社員に伝える際、「夢と情熱をもとう」と言っています。日本は人口が減少していき、新築案件もそれにともなって減っていくでしょう。少し飛躍しますが、建設事業、とくに新築工事を継続するためには、海外への進出も考えられます。 今は自動翻訳などサポートしてくれるIT技術が発達しており、進出先の建設の法律をよく理解しておけば、やることは日本とそう変わらないはずです。そうした考えもあって、社内の旅行は極力海外へ研修に行っています。将来は国外でやってみようと思ってくれる若いメンバーが育ってくれれば良いですね。

(つづく)

【聞き手:(株)データ・マックス代表取締役会長 児玉 直
文・構成:茅野 雅弘】


<COMPANY INFORMATION>
代 表:菅原 正道
所在地:福岡市南区野間2-7-1
創 業:1902年11月
設 立:1952年11月
資本金:9,900万円
URL:https://www.miraizu.co.jp


<プロフィール>
菅原 正道
(すがはら・まさみち)
1954年3月、福岡市生まれ。福岡大学卒。79年4月、(株)福岡金子組(現・未来図建設)に入社し、常務取締役に就任。91年1月、同社取締役副社長を経て、93年11月、同社代表取締役に就任。

(後)

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