久留米市内に多くの欠陥建築の可能性大！施工管理能力の欠如が露呈した栗木工務店

元請・鹿島がずさんな施工で損害賠償請求

新生マンション花畑西

　福岡県久留米市の分譲マンション「新生マンション花畑西」の構造・施工の欠陥をめぐり、設計事務所と施工業者（鹿島建設）に損害賠償を求めた裁判が続いている。このマンションでは、竣工直後から数々の施工上の欠陥が発覚し、元請施工業者である鹿島建設の調査により、鉄筋のかぶり厚さ不足・鉄筋露出、コンクリート内の異物混入、コンクリートの中性化などが判明した。さらに、現在審理中である裁判の過程において、「設計図面に明記された梁が30カ所も未施工」という事実も明らかとなった。

　このマンションの施工は、元請業者である鹿島建設から、地場の栗木工務店が一括で下請受注していた。原告区分所有者たちに購入動機を聞くと、「スーパーゼネコンの鹿島建設による施工というブランドを信じて購入した」という声が多かった。「スーパーゼネコンの施工」といううたい文句で販売し、実際は、地場のゼネコンなどが一括下請けし施工をしていたのである。

　多くの人にとって一生に一度の買い物であるマンションで、これほど多くの施工の瑕疵が発覚したことで、「鹿島のブランドに騙された」区分所有者および管理組合は、分譲業者である新生住宅（後に解散）や鹿島建設との交渉を重ねていた。鹿島建設は管理組合らに対し、施工の瑕疵が重大ではないと説明をしていたが、その一方で、下請の栗木工務店に対しては、「極めてずさんな施工であり、危険」だとして、損害賠償を求めていたのである。（平成19年（ワ）第665号 損害賠償請求事件 原告：鹿島建設株式会社 被告：株式会社栗木工務店）

　このように、施工管理能力が欠如し、元請施工業者から「極めてずさんな施工であり、危険」だと損害賠償を求められている地場ゼネコン「栗木工務店」は、現在も営業を続けている。裁判となった今回のマンションは、当然、氷山の一角だと考えられ、久留米市内のいたる所に存在する、栗木工務店が施工に関与わった建物には、同様の危険が潜んでいる可能性があると考えざるを得ない。新生マンション花畑西管理組合の理事長である寺崎敏和氏は、栗木工務店に警告を発する文書（添付書類参照）を送付する予定であり、久留米市民に対しても、栗木工務店のずさんな施工により建設された建物が数多く存在していることを知らせる市民運動を展開していくとしている。

【伊藤　鉄三郎】

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