2024年04月20日( 土 )

KYB改ざん問題 福岡では26件発覚、北九州市のウェルとばたでも

記事を保存する

保存した記事はマイページからいつでも閲覧いただけます。

印刷
お問い合わせ
法人情報へ
▲KYB福岡支店

 油圧機器メーカーのKYB(株)と子会社のカヤバシステムマシナリー(株)が、製造した免震・制振装置の検査データを改ざんしていた問題で、北九州市の施設である「ウェルとばた」(北九州市戸畑区)で不適合装置の使用が確認された。
 ウェルとばたは、市民会館棟と福祉会館棟の2棟からなり、市民福祉の向上と、福祉活動の活性化を図る目的で2002年10月にオープンしていた。北九州市建築都市局によると、市内ではウェルとばたを含め7棟の建物で同社のダンパーが使用されていることがわかったという。

 改ざんが行われたダンパーは、疑いのあるものも含めてマンションや病院、庁舎など全47都道府県の建物で計986件、うち福岡県内では26件の建物において不適合品が使われていることがわかっている。19日から順次、官庁と病院については建物名が公表される予定となっており、その他の民間施設については、「施主とゼネコンとの合意がとれ次第、公表していく」(KYB)という。

 福岡県および福岡市の庁舎での使用はなかった。これから計画、完成を迎える官庁舎について、22年の開庁を目指して建替え計画が進められている博多区庁舎は、「計画段階であり、影響はない」(福岡市)という。
 11月に完成を迎える筑紫野市庁舎については、「KYBの使用の有無を調査中」(前田建設・九州建設・久米設計・匠JV)という。

 国交省は、この問題を受けKYBらに対し、建築物の安全確保のために構造安全性の確認や関係者への丁寧な説明、迅速なダンパー交換の実施を求めている。

【永上 隼人】

関連記事