「未来のながさき」を担う住まいの懸け橋へ~(公社)長崎県宅地建物取引業協会・三上浩二会長
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2017年09月14日 11:18

「未来のながさき」を担う住まいの懸け橋へ~(公社)長崎県宅地建物取引業協会・三上浩二会長

 魅力あるまちづくりに必要不可欠な「住まい」。その流通に関わり、まちの歴史、文化、コミュニティにも通じる地域に根付いた不動産業者は、まちの健全な発展を考えるうえで、重要な役割を果たす存在だ。今年、創立50周年という大きな節目を迎える長崎県宅地建物取引業協会の三上浩二会長に、同協会の視点で考える長崎のまちづくりへの貢献について語っていただいた。

地域密着の強みを活かす

三上 浩二 会長

 ――創立50周年を迎えて、どのような活動指針を持たれていますか。
 三上 まず、長崎県宅建協会版の『ハトマーク・グループビジョン』として「長崎県宅建協会は、公正な不動産取引を通じて、安心・安全な住みよいまちづくりと地域社会の健全な発展に貢献し、未来のながさきを担う住まいの懸け橋になることを目指します」を定めました。このビジョンに基づき、「会員支援」「信頼される協会」「地域貢献」を3つの柱とし、2020年度までの短中期的な課題に対するさまざまな取り組みを行っていきます。

 順番に、お話しいたしますと、まず、「会員支援」では、不動産に関することや新規入会支援などテーマとしたセミナーの開催による会員の資質向上を図り、内容を充実させ、新規入会へとつなげます。新たに着手するものでは、開業後の支援、経営基盤の安定を目的としたサポートセンターの設立です。現段階の構想としては、宅建協会とは別の法人として設立し、その事業収益のなかから、会員の福利厚生を充実させる仕組みを考えています。

 ――会員支援と同時に、協会の魅力アップを図るということですね。
 三上 はい。その一方で、異業種やネット業界の参入が続き、大手の取引が増大する不動産業界において、私たちは「長年にわたり蓄積されたノウハウ」を経営資源とし、県下900会員のネットワークや公益社団法人としての一般消費者および行政からの信頼を強みとして発揮しなければなりません。そこで「信頼される協会」を目指し、空き家・空き地バンクとの提携をはじめ、行政・他団体との連携を積極的に進めていきます。また、高齢化が進み、後継者不足による廃業が増えていますので、次世代に向けた人材育成を目的として、女性部会や青年部会の活動が始まっております。

 現在の経営者の息子さんや娘さんが職場で働かれているところも多く、そうした方々に協会の活動に参加していただけるよう、まずは、若者同士で交流し、自分たちが望む内容の勉強会を行っていただきます。青年部会では、長崎支部が第1回の会合を7月18日に開き、16名の方にご参加いただきました。女性部会では、経営者や従業員の女性の方を対象とし、第2回を7月20日に佐世保市で開催。49名の方が集まり、接客サービスやクレーム対応をテーマにマナー講習会を実施しております。

不動産業は「政策産業」

 ――長崎のまちづくりには、どのように貢献をされていかれますか。
 三上 「顧客は会員・一般消費者・地域社会であると認識し、共存・共栄をしていく」という顧客認識を前提とし、「地域貢献」として、住みよいまち・住みたいまちづくりに貢献していきます。まず、地域に密着した信頼される存在でなければ、安心して仕事を任せていただけません。具体的には、不動産無料相談および空き家相談の継続、家主セミナーや不動産フェアの開催などを実施します。

 支部単位で、自治会への加入促進協定を各自治体と進めていくことも行っています。また、「こども110番協定」を長崎県警と締結するほか、「女性の安全住宅アドバイザー」「高齢者に対する見守り協力事業者」として、地域の安全・安心に貢献していきます。

 ――家主セミナーでは、どのような取り組みをなされていますか。
 三上 昔は、住宅の需要と供給のバランスにおいて、供給が極端に少ない“貸し手市場”でした。今でも、とくにご年配の方になると、昔の感覚のままという家主さんが多いです。しかし現在は、供給が増えている“借り手市場”です。たとえば、「敷金3カ月、礼金2カ月」といった昔通りの条件だと借り手がいません。これは、空き家が増える要因の1つでもあります。その認識のズレについて、私たちの立場からお教えさせていただくのが家主セミナーです。この実施によって、だいぶご理解をいただけるようになり、長崎市内の賃貸マンションの賃料も5千円から1万円くらい下がっています。

 ――市場の価格調整も、地域密着の不動産業者の重要な役割だと思います。最後に、会員の皆さんにメッセージをお願いします。
 三上 私は不動産業について、政策によって浮き沈みがある「政策産業」だと認識しています。自分の会社のことだけやっていても、“基”が変わってしまえば、そこから崩れます。たとえば、つい最近、福岡県で仲介手数料をめぐるトラブルがあり、それを知った監督官庁の長崎県から、貸し主半分、借り手半分の原則を徹底するようにとの問題提起がなされました。しかし現場では、事前了解のもと、片方からいただくようにしています。そこで私が、全宅連(全国宅地建物取引業協会連合会)を通じて国交省に確認したところ、だいぶ前に、私たちのやり方を認める通達が出ていたのです。
 法改正においても、それにともなう不具合などの現場の声を業界団体から政策提言として国に伝えることは、とても大切なことです。譲渡所得税の低減も、私たちが全国組織として政府与党に対して提言した活動の成果です。会員の皆さまには、協会の目的に関心を持っていただき、活動に参加していただきたく思っております。

【山下 康太】

PROFILE
三上 浩二(みかみ・こうじ)
1960年11月生まれ。長崎市出身。県立長崎西高、立教大学法学部を卒業。24歳で(株)三上住宅を設立し、宅建協会の活動に積極的に参加。2016年5月、現職に就任。趣味は、マリンレジャーと旅行。

<COMPANY INFORMATION>
代  表:三上 浩二
所 在 地:長崎市目覚町3-19
設  立:1967年10月
会 員 数:897業者(2016年4月1日現在)
TEL:095-848-3888
URL:http://www.n-takken.or.jp/kyoukai​

 
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