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2021年10月07日 16:27

【縄文道通信第77号】縄文道経営とは 土器と丸木船と犬ぞり~縄文道―武士道―未来道

(一社)縄文道研究所

土器、丸木舟、犬ぞりから見る縄文道経営

大海原 イメージ 世界最古級の縄文土器の世界性、偉大性と現代へのつながりは71~76号で触れた。

 縄文人が約9,000年以上前にベーリング海峡を渡って、アメリカ大陸を海沿いに丸木舟で渡り、大陸を南下していったという。この壮大な実話の検証を行っているのが、アメリカのカヤック操縦者で学者のジョン・ターク博士である(ジョン・ターク著『縄文人は太平洋を渡ったか』、青土社)。

 また環境考古学者の内山純蔵博士により、縄文人が犬ぞりでシベリアを渡りヨーロッパにたどり着いた痕跡が発掘されている。

 とくにバルト海近辺では縄文土器と同じ土器が発掘されていると、講演会でお聞きしたことがある。

 これらの歴史的事実から見える縄文人の姿は以下の通り。

  • ADVENTURE 冒険心 
  • RISK TAKER 危機への対峙
  • POSITIVE ENTREPRENEUR 積極的起業家精神
  • RESULT ORIENTATED 成果主義
  • ETHICAL MIND BASED ON NATURE 倫理感覚

 以上のような精神性は、日本が現在抱えている危機的状況を打破する精神性とDNA が備わっているということだ。

 約9,000年から9,500年前は縄文早期の時代だが、日本列島のなかでも黒曜石・アスファルトなどの輸送に丸木舟が使用されていたことは、考古学的に実証されている。長野県や神津島の黒曜石が関東、東北、北海道の遺跡から出土されているのだ。

 現時点で、日本全体で約150隻以上の丸木船が発掘されている。それでは、丸木船でなぜアメリカ大陸の西岸を渡航できたかを考えると、縄文人が緻密で計画性がありながら、大胆で勇敢なことがわかる。

 ベーリング海峡は当時、陸続きといわれていたが、縄文人の優れた能力は以下のようにまとめられる。

(1)自然環境、とくに天体の動きと海洋、海流特性と天候の推移を理解していた。
(2)移動のための食糧確保は海の幸を中心としていた。
(3)アメリカの西海岸を南下しながら、寄港地の特性についても理解を深め、危機を乗り越える知恵を身につけていった。

 まさに多くの危機と対峙し、乗り越える本能的知恵を磨いていったと推測できる。ユバル・ノア博士の指摘する狩猟・漁労民族の五感、六感と直観力が、相当磨かれたと推測できる。

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 次に、シベリアの3,000km以上の犬ぞりでの旅である。犬ぞりは、モンゴル民族が約3万年前から使用してきたという伝説もある。草原の狩猟民族であるが、シベリアを狩りするにあたり、ハンター犬をたくさん束ねて移動していたようだ。

 内山博士によると、現在のバルチック3国近辺で縄文土器と同じ土器が発掘されているとのこと。

 犬ぞりはモンゴル民族からカナダのイヌイットに、紀元前4,000年ごろに伝搬されたようだ。シベリア大陸を犬ぞりで、ハンター犬を10頭近く束ねれば約2週間でヨーロッパに到着するとのことだ。3,000kmを15日で割ると1日200kmである。時速20kmで1日200kmは可能と計算できる。

 縄文土器の発明、丸木舟でのアメリカ大陸西岸の大旅行、シベリアから犬ぞりでのヨーロッパまでの縦断は、すべて夢のあるすばらしい歴史的出来事である。

 前述した縄文人の積極的挑戦心は、現在日本が置かれている危機的状況と閉塞感を打破するヒントになると思う。

 縄文人の挑戦心、起業家精神、危機への対峙の姿勢は、下記の縄文道経営を担う経営者にぜひ参考にしていただきたい。

 ちなみに、「縄文道経営」は2020年12月23日に特許庁の商標登録済みである。

<縄文道経営>
   組織     形態
(1)OPEN   開放的、透明性が高い、グローバル化への対応、高い倫理経営
(2)FLAT   水平型、DX型、インターネット社会への対応
(3)SIMPLE 単純化、簡素化、規制を緩和、わかりやすいシステム
(4)SMALL  小規模組織集団、分社化での機動力増進、経営者個人

(1)五感を鍛え、六感を養い、直観を重視
(2)不可知論、形而上学の重要性(宗教、哲学、とくに倫理観)
(3)AI ロボット、DXへの理解とデジタル・アナログの融合
(4)教育的(受け身)思考から啓育的(自発的、積極的)思考への転換

 日本は自然災害、サイバー・ハッカー危機、世界的金融危機、食料危機、優秀なリーダー不足などの危機と長期低迷で苦しんでいる。この危機と閉塞感を打破するヒントが、温故知新としての縄文道経営である。

 哲学者ゆえに、梅原猛先生は縄文人が形成した縄文文化を高く評価された日本の知識人の第一人者である。梅原先生は、縄文文化は日本人の源流で基層であり、この長期の文化があるので、日本人はあらゆる艱難辛苦を乗り越えることができたと論じている。縄文から学んだ大きな点は、以下3点に集約される。

  • 復元力  :あらゆる艱難を乗り越え復元する力。
  • 換骨奪胎力:世界中の文物を入手し、自分のものに変革する。
  • 日本化力 :すべての文物を日本の風土、思考、嗜好に適合させる。

 岸田新政権も日本型の新しい資本主義で、成長、分配を適正に行って中間層を豊かにする政策を掲げている。今や日本の誇るべき縄文文化を見直し、縄文道経営にヒントを見出していただきたい。

<参考文献>
『縄文文明の発見』(梅原猛、安田喜憲共著、PHP)
『縄文人は太平洋を渡ったか』(ジョン・ターク著、青土社)
『縄文から考える人類の歴史と未来』(内山純蔵氏、講演レジメ)


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