2024年05月18日( 土 )

大分・湯布院の古民家お宿が過去最高売上、新規プロジェクトも

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九州観光が人気 「3月から予約急増」

 国土交通省九州運輸局によれば、7月の九州への外国人入国者数は26万6,019人(速報値)を数え、2019年7月の通常入国数(船舶観光除く)の水準とほぼ同等にまで回復。全国平均は同月比で83.6%となっており、とくに九州では回復傾向が顕著となっている。8月は27万2,036人(速報値)と今年最多をさらに更新し、日韓関係悪化の影響があった19年8月との比較では、41.2%増と大幅な上昇となった。

 6月(確定値)の外国人入国者を国・地域別で見てみると、最も多かったのは韓国で全体の64.3%を占めた。2位以下は台湾(11.0%)、香港(7.4%)、タイ(4.9%)と続く。

 「3月から予約数が急激に増え始めました」─こう話すのは、大分・湯布院を中心に民泊(プライベートヴィラ)を43棟運営する(株)リョウ・コーポレーションの黒木氏だ。同社は、温泉付きの古民家を宿泊施設に改修して、1棟貸切タイプのプライベートヴィラとして運営を行っている。

 温泉地・湯布院の魅力について黒木氏は、「湯布院は景観条例などで保護されており、きれいな街並みが残されています。そして何といっても湯の坪街道です」と話す。

九州への外国人入国者数推移

インバウンド復活で
8月は過去最高を計上

湯の坪街道
湯の坪街道

    湯の坪街道は、金鱗湖周辺から由布院駅方面に1㎞弱続く湯布院観光のメインストリート。通り沿いには飲食店や土産物店などが立ち並び、通りは食べ歩きを楽しむ観光客でごった返す。金鱗湖は温泉と清水が流れ込む湖で、年間通して水温が高く、秋~冬の早朝は湖面から湯気が立ち上り、湖全体が朝霧に包まれた神秘的な光景が見られる。湯の坪街道とのアクセスも良く、湯布院のシンボル的存在となっている。温泉地・湯布院は、湯の坪街道や金鱗湖の近くに、旅館などの宿泊施設がコンパクトにまとまった全国的にも知名度が高い温泉地だ。

 「円安効果もあり、当社運営施設の稼働率はコロナ前を超えました。とくに8月は過去最高となる4,000万円超の売上高(全物件合計)を計上することができました。コンパクトな観光地、そしてそこから少し離れれば田園風景が広がり、温泉の湯量も豊富で泉質は肌に優しい単純泉、湯布院には多くの日本らしい魅力があります」(黒木氏)。

由布露天 余情の美
由布露天 余情の美

温泉付きの希少地で
投資用民泊の企画も

 リョウ・コーポレーションでは、プライベートヴィラの運営だけでなく、企画・コンサルも行う。「数年前から15区画のプライベートヴィラ用地を確保しておりました。コロナ禍でストップしていましたが、市況を見て再開していく予定です」(黒木氏)と話す。

 さらに、今年8月には約300坪の新規プロジェクト用地の取得を済ませた。この物件は、同社が組成したSPC・合同会社湯布院プロジェクト1(職務執行者・黒木遼太)が保有しており、同社によって企画・コンサルが進められるという。300坪の敷地は4区画に分割し、源泉かけ流しの温泉がつく4棟のプライベートヴィラが建設される予定だ。高台にあるため、敷地からは湯布院らしい雄大な景色が望める。運営はリョウ・コーポレーションが手がける。

約300坪の新規プロジェクト用地
約300坪の新規プロジェクト用地

 湯布院プロジェクト1は、これら4棟の建物プラン付で敷地を売却していくという。「投資金額は建物含め5,000万円程度、数人から十数人の宿泊が可能で、運営委託費を引いた利回りは14~17%となる見込みです」(黒木氏)。

 湯布院の繁忙期は、秋から春にかけての寒い時期だ。今年のインバウンド需要はコロナ前を超えるとの予測も出ているなかで、九州随一の観光地・湯布院がどれほど賑わうのか注目したい。

【永上 隼人】

湯布院B&B 宿泊インフォメーションセンター

(株リョウ・コーポレーション)
所在地 :大分県由布市湯布院町川上3734-1
TEL :0977-84-5050
     (営業時間 午前9時~午後6時)
URL :https://yufuin-bnb.com/
MAIL:yufuin.bnb@gmail.com


運営するほとんどの宿泊施設では、ICTの採用によりチェックイン、チェックアウトをタブレットで完結できる。事前に送られてきたQRコードをタブレットにかざすと、玄関キーのパスコードが表示されグループで共有することもできる。

湯布院B&B (株)リョウ・コーポレーション

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