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2015年10月26日 18:10

訪韓メモ、韓国現代社会を解くキーワード(前)

 10月14日から21日まで、約1年ぶりに訪韓した。「朴槿恵(パク・クネ)大統領の韓国は、どこへ行こうとしているのか?」。古くからの友人に会い、歴史博物館も訪問した。韓国が「過去」をどう記憶しようとしているのかも、気になる。「メモ」代わりの断想を記述したい。

「韓米離間策」

 韓国人の新しい対日非難だ。ソウルに来て、この言葉を意外な人から聞き、韓国マスコミが喧伝している「対日用語辞典」が幅広く影響を与えていることがわかった。
 「日本が米国と韓国の仲を引き裂こうと、いろいろ画策している」という説だ。「被害者」としての立場からの発想であるのが興味深い。どこの国民も自分が「歴史の被害者」であることを強調する。ポイントは、それが客観的に見て真実かということだ。
 日本による「韓米離間策」が、現状を的確に表現したものかどうか。「悪のり」する日本メディアもいるが、「韓国の中国接近への懸念」が必ずしも的外れでないことは、朝鮮日報に載ったソウル大教授の「寄稿」を読めば、明確であろう。韓国人学者が米国に行くと、米国専門家が「韓国政府の対中姿勢」に対して問わず語りの不満を語っているからである。

 韓国でのもう1つの見方は「親中事大主義」。これは訪韓中に長時間話し合った「月刊朝鮮」元編集長・趙甲済(チョ・ガプジェ)さんの最新レポートの題目だ。しかし、韓国メディアに登場する用語は、圧倒的に「韓米離間策」が多い。

 どうしてなのか?理由は簡単だ。それが最近の韓国報道陣の「メディア・フレーム」だからだ。自分自身がよく理解できない状況について、新聞記者は誰かが言った「現状解釈の枠組み」を援用して記事をつくってしまう。ジャーナリスト(時代を記録する者)として一番警戒しなければならない姿勢だが、どこの国のマスコミでも、これが一番多い。
 それが、社内の安定した地位確保にもつながるからだ。つまり、新聞記者(特派員)は取材対象や読者ではなく、本社の意向を忖度しながら記事を書くということだ。最近の韓国紙の報道には、このメディア・フレームの乱用が目立つ。

「贖罪史観」的の誤解

 小沢一郎氏が「白凡金九記念館」を訪問し、お墓を参拝したことがあることを、今回の訪韓で知った。2010年当時の韓国紙「東亜日報」に、そう書いてある。隣にある「韓国3義士」の墓にも行ったようだ。

 小沢さんは、事前によく調べてから行ったのだろうか。3義士の1人「桜田門事件」の犯人、李奉昌(イ・ボンチャン)の銅像は、昭和天皇に手榴弾を投げつけるシーンを再現している。金九(キム・グ)はその指導者だ。中途半端な「贖罪意識」が、日韓の相互理解には一番悪い。韓国は経済成長に国民意識が付いて行けず、夜郎自大化しているから、なおさら始末が悪い。

(つづく)
【下川 正晴】

<プロフィール>
shimokawa下川 正晴(しもかわ・まさはる)
1949年鹿児島県生まれ。毎日新聞ソウル、バンコク支局長、論説委員、韓国外国語大学客員教授を歴任。2007年4月から大分県立芸術文化短期大学教授(マスメディア論、現代韓国論)。
メールアドレス:simokawa@cba.att.ne.jp

 
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