九州への入国者数が過去最高
九州7県への外国人入国者数は2025年に581万人を突破し、過去最高を更新した(国土交通省・九州運輸局公表資料より)。九州全体でインバウンドが盛り上がるなか、受け皿となる宿泊施設への需要が高まっている。福岡市においても、人気アーティストのライブ公演が重なり、ホテル不足が懸念されることから、JR九州がいわゆる「列車ホテル」イベントの開催を発表したことは記憶にも新しい。
収益物件の企画・販売や不動産の売買・仲介などを行う、総合不動産業のアルマデグループ(福岡市博多区、本田幸一郎代表)では、ホテル・民泊施設の企画・販売から運営・管理まで手がけており、福岡市内を中心にホテルや戸建タイプの民泊施設を約70棟管理している。韓国や台湾、香港などからの観光客に加えて、全体の約4分の1を占める日本人利用もあり、平均稼働率は80%強、宿泊者数換算で約3,600人/月となっている(26年3月取材時点)。ホテル代が高騰するなかで、グループ利用により1人あたりの宿泊費を抑えられる一棟貸しの戸建タイプの民泊施設が、出張・観光時の宿泊先として定着してきている。
一方で、福岡市内では土地価格の高止まりと建築コストの増加から、小規模・シングル系の宿泊施設が増えていくとの見方もある。「福岡市中心部での用地取得が厳しさを増すなかで、15㎡規模の部屋タイプが増えていく可能性はあります。当社では南福岡や春日、筑紫野など、福岡都市圏からのご相談も増えてきています。円安が継続するなかで、インバウンドも相応に見込まれることから、民泊市場は今後も堅調に推移すると見ており、昨年オープンしたAMP FLATエテセゾン御供所(博多区)も想定通りに稼働していることから、引き続き事業性の高い施設をオーナーさまにご提案してまいります」(本田代表)。
現在、アルマデグループでは福岡市中央区で共同住宅タイプの民泊施設を複数棟建設中のほか、福岡都市圏に加えて佐賀、熊本など県外でも民泊施設をオープンするなど、業容を拡大している。昨年には(株)筑邦銀行を引受先とするSDGs私募債を発行(発行額3,000万円)するなど、事業に対する信頼性も高まるなか、同グループの中核企業である(株)アルマデは、26年8月期決算で増収増益となる売上高約9億4,000万円、当期利益約5,200万円を見込んでいる。
新たなビジョン まちに賑わいを
ホテル代が高騰するなかで民泊のグループ利用が進み、土地価格の高止まりや建築コストの増加から、収益性に期待できるホテルや民泊が不動産投資の選択肢として注目される。アルマデグループの民泊事業は、こうした市況の変化を捉え、好調を維持。活動拠点である福岡市の都市としてのポテンシャルも追い風となっている。
本田幸一郎 代表
「九州・福岡には、アジアの中心地になり得る地理的・経済的な優位性があります。以前、当社で事業の海外展開を検討した際、フィリピンのマニラ、セブで市場調査を行いましたが、結果として、福岡市のほうが不動産価格に対する収益性のバランスが良いと判断しました。円安も後押しとなり、海外投資家や外資系企業にとって進出しやすくなっていますし、国内のほかの都市と比較しても、十分優位性があると考えています」(本田代表)。
同グループでは22年から毎年新卒採用を継続しているが、これまで新卒入社の社員から退職者は出ていない。この定着率の高さも事業拡大を後押ししており、今年3月には新入社員主導で、アクロス福岡に隣接した天神中央公園に宿泊者を招待してのお花見イベントを開催。宿泊者の満足度向上につながるサービス展開もあり、民泊事業の裾野が広がるなか、同グループでは新たに「街を、舞台のように。人生を、物語のように。」というビジョンを掲げた。1人ひとりの「こんな未来をつくりたい!」という思いを一枚の絵として表現したものであり、未来に向けたまちづくりの設計図でもある。
ホテル・民泊を通じた建設・不動産会社や不動産オーナーの資産形成支援にとどまらず、平均宿泊者数約3,600人/月という送客基盤を生かした、飲食やイベントなどを含む、まちづくりそのものへの挑戦を期待させるビジョンマップ。拡大する福岡の宿泊市場で、アルマデグループが提案する新たな宿泊モデルに期待したい。
【代源太朗】
<COMPANY INFORMATION>
(株)アルマデ
代 表:本田幸一郎
所在地:福岡市博多区御供所町12-1
JCI御供所町ビル2F
設 立:2009年4月
資本金:1,000万円
TEL:092-260-7448
FAX:092-260-7437
URL:https://almade.jp/src/

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