奇跡の求人

　「奇跡としか、言い様がない」―新設から間もない、ある会社経営者の話を聞いて驚いた。鼻息荒く、「業界に精通したいい人材に出会えた」と喜んでいたのだ。

　起業から３年目で、事業の幅を広げようと「人材を募集して、工事部を強化したい」と聞いていた。とはいえ、建設業界は空前の人手不足。歴史ある会社でさえ、人材確保に頭を悩ませる時代だ。「そんなに簡単に良い人材はみつからない」と本人もつぶやいていた。それなのに、どんな術で引き当てたのか。

　なんと、それが「ハローワーク」だったというのだ。「ハローワークに求人を出しても・・・」とぼやく経営者も実際多い。その経営者は奇跡だと連呼するが、やはりあらゆる手を尽くしても、人を採用したいという気持ちが通じたのである。ハローワーク、侮ることなかれ。

【東城　洋平】