9月2日に行われた明治安田J1リーグ第5節、アビスパ福岡はホームで浦和レッズと対戦し、2-3で敗れた。
試合は立ち上がりすぐの前半7分、浦和の攻撃からゴール前へ送られたボールを頭で流し込まれ、福岡は早々に1点を追う展開となった。しかし、福岡はここから崩れることなく、むしろ失点をきっかけに攻撃のギアを上げ、前線から積極的に仕掛けて浦和ゴールへ迫っていく。
そして24分、師岡が持ち味のドリブルで仕掛けて相手守備陣をかわし、ゴール前へ持ち込む。そこから生まれたチャンスに碓井が反応。冷静かつ豪快にゴール左隅へ流し込み、試合を振り出しに戻した。
勢いに乗った福岡は、さらに浦和ゴールへ攻め込んでいく。その中心にいたのが師岡だった。攻撃では積極的に仕掛け、守備でも献身的に動き回るなど、攻守にわたって存在感を発揮。35分には、その師岡がゴール前で浦和守備陣がクリアしたボールに誰よりも早く反応。こぼれ球を逃さずゴールへ押し込み、福岡が2-1と逆転に成功した。
逆転後も福岡は積極的に3点目を狙い、何度も浦和ゴール前へ迫った。決定機をつくりながら最後のところで浦和GK西川周作の好セーブに阻まれ得点にはならなかったものの、早い時間に先制を許した難しい立ち上がりから見事に試合を立て直し、2-1で前半を折り返した。
だが、後半に入ると浦和は福岡の攻撃を封じるためシステムを変更。前半に見せていた福岡の勢いを食い止めようと修正を施してきた。一方、1点をリードする福岡も、試合を終わらせることを意識した采配に動く。
前半から好調だった重見、見木、師岡、碓井、前嶋を次々とベンチへ下げ、守備に重心を置いた選手交代を選択した。追加点を奪うこと以上に、フレッシュな選手の運動量で2-1のリードを守り切る。そんな意図が色濃く映る交代カードだった。
しかし、その交代が結果的に試合の流れを変えてしまった。前半はボールを奪えば前へ運び、相手陣内まで押し返すことができていた福岡だったが、交代後は攻守がうまくかみ合わなくなる。ボールを奪っても前線で収めることができず、浦和にボールを奪われる場面が増える。守っては跳ね返し、また拾われて攻め込まれる。その繰り返しのなかでラインは徐々に下がり、押し込まれる時間が長くなっていった。
それでも、何とか耐え続けていた福岡だったが83分、ついに浦和にゴールを許し、2-2の同点とされる。
それからわずか2分後の85分、再び浦和にゴールを奪われ、2-3で逆転される。前半に自らひっくり返した試合を、試合終了間際のわずかな時間で再びひっくり返されてしまった。
逃げ切り図った後半の交代策から流れを失う
悔やまれるのは、後半の戦い方だ。同点に追いつかれ、さらに勝ち越すためには再び攻撃へ転じる必要があったが、前半の攻撃をけん引した選手たちはすでにピッチを退いていた。リードを守り切ることを意識した交代策だっただけに、攻撃に転じる場面でギアを入れ直す手段が限られていたように映った。
前半にチャンスを生み出した師岡の仕掛け、碓井の決定力、重見や見木らが絡んだ連動性など、そうした攻撃の推進力を失ったなかで、福岡は守備でも押し返すことができず、同点からわずか2分後には逆転を許した。
もちろん、1点のリードを守るために守備を固めることも試合を終わらせるための選択肢の1つだ。ただ、守り切れなかったときに、どう攻撃へ転じるのか。その「次の一手」まで用意できていたのかは気になるところだ。勝利に近づいていたからこそ、リード時の試合運びと交代策に課題を残す敗戦となった。
2戦連発の碓井、覚醒の予感
悔しい逆転負けのなかで、明るい材料となったのが碓井の復調だ。前節・京都戦で今季初ゴールを決めると、浦和戦でもゴール左隅へ鮮やかな一撃を突き刺して2試合連続ゴール。ようやくエンジンがかかってきた。
この日、今季初先発となった碓井はゴールへの意欲を存分に見せた。33分、45分には立て続けに豪快なミドルシュートを放つが、相手GK西川周作の好セーブに阻まれる。また、53分にも鋭いシュートがポストを直撃するなど、あと一歩で複数得点という場面を何度もつくった。
得点にはならなかったが、本人も手応えを感じているようで「前回決められたことで気持ちが楽になって、1つ落ち着いてプレーできるようになった。シュートも自信をもって思い切り振れている」と話す。好調の要因として挙げたのが、シュートに入る前のプレーだ。「調子がいい時はトラップがバチッと決まって、そのままシュートまでもっていける」。浦和戦のゴールもワンタッチから迷いなく右足を振り抜いた。
ただ、2戦連発にも満足はない。「今日も自分がもう1点決めていれば、試合の流れも違ったと思う。複数得点するくらいの気持ちで臨まないといけない。チームを助けるためにも、もっとゴールを取らないと」と話した。
天性のストライカーらしい感覚を取り戻した碓井。ここから一気にゴール量産となるか、期待が膨らむ。
【川添道子】









