2024年04月26日( 金 )

株価急騰を的中させた植草一秀氏に学べ~『あなたの資産が倍になる』(ビジネス社刊)

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 19,298円68銭で始まり、4月には18,224円68銭という最安値をつけた2017年の日経平均株価。16年から上げ潮基調の相場が続いていたが、まさか23,382円15銭(11月9日)という最高値をつけるような急騰を見せるとは、ほとんどの人が予測できていなかったのではないだろうか。
 そう、本書の著者・植草一秀氏を除いては。

 植草氏は、例年TRIレポートとして、読者の資産防衛・資産運用を目的に翌年の国際情勢、国内政治をはじめ、金融・産業など幅広い分野についての予測を書籍にまとめ、刊行している。昨年度版『反グローバリズム旋風で世界はこうなる 日経平均2万3,000円、NYダウ2万ドル時代へ!』では、タイトルのとおり日経平均株価の2万3,000円越えを予測し、見事に的中させたというわけだ。
 さらに興味深いのが、本書巻末にある「昨年版収録・注目銘柄の株価上昇率」。いわば答え合わせをしているわけだ。収録銘柄のなかで最も高い上昇率を示したのが住友鉱山。掲載時株価2,229円5銭に対し、最高値が4,376円。上昇率が228.2%という値上がりを見せた。他の銘柄も、軒並み20%から70%の上昇を記録。「植草予測」の精度を改めて実感させた。

 さて、来たる18年を占う『あなたの資産が倍になる 金融動乱に打ち勝つ「常勝投資術」』(ビジネス社刊)。植草氏は本書のなかで、18年には5つの波乱リスクが待ち受けている、としている。
 第1は、やはり目が離せない北朝鮮情勢。トランプ米大統領や政府高官の発言にはややブレも見られるが、基本的には強硬姿勢を崩していない。可能性は高くはないものの、米朝間で軍事衝突が起きればその影響は計り知れない。
 第2に、そのトランプ政権の行方。厳しいトランプ攻撃を続ける米メディアと、トランプ大統領による相変わらずの過激発言。ロシア問題、北朝鮮問題、NAFTAやTPPなどの外交・貿易問題などさまざまな課題が山積するが、最大のポイントはFRB執行部の任期満了。どんなメンバーが米国金融政策を牛耳るか、世界経済にも波及する大きな問題だ。
 第3が、中国新体制の発足。17年10月の全国共産党大会で成立した新しい政治指導部が導く政治・経済政策は、アジアはもちろん世界の情勢を大きく左右する。
 第4に、欧州情勢の変化が挙げられる。ECB(欧州中央銀行)が量的金融緩和から「出口戦略」へ向かうなか、為替市場や各国の株式市場にどのような影響を与えるだろうか。
 第5は、これらの課題に対する日本の対応である。アメリカはすでに15年12月から利上げをはじめ、欧州も緩和縮小を志向し始めた。日銀が2012年から続いてきた量的金融緩和の縮小に踏み切ったとき、どれほどのインパクトを金融市場に与えるのだろうか。

 植草氏が強調するのは、どのような「波乱」が起きるかをあらかじめ想定しておくこと。そしてその波乱がどのような規模になるのかを左右するキーファクターを見定めておくこと。この備えがあれば、余裕をもって波乱に対処できる。そうすれば、ピンチはチャンスになるはずだ。

【深水 央】

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