2024年04月29日( 月 )

2022年福岡開発ニュース(前)

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 九州初上陸となった「ららぽーと福岡」や、コロナ禍でもオープンしたホテルなど、2022年も福岡では天神・博多エリアを中心に活発な開発が行われた。22年に着工・オープン、計画が本格始動した主な物件を、時系列でみていこう。

1月

鹿島中洲中島町オフィスビル

 鹿島建設(株)が企画・設計・施工のすべてを手がける「(仮称)鹿島中洲中島町オフィスビル」が着工した。建築物の概要はS造地上14階建、延床面積1万6,124.01m2。同社の保有技術で、地震エネルギーを吸収する鋼板ダンパ「ハニカムダンパ」を鉄骨に組み込んだ付加制震が採用されているほか、利用者の健康性、快適性の維持・増進を支援する取り組みが評価を受け、テナントオフィスビルとしては九州初となるCASBEE-スマートウェルネスオフィス認証のSランクを取得している。

鹿島中洲中島町オフィスビル/ ザ ロイヤルパーク キャンバス福岡中洲

ザ ロイヤルパーク キャンバス福岡中洲

 明治安田生命福岡ビル跡地で計画されていた複合施設が着工した。設計・施工を(株)竹中工務店が手がける。同施設の名称はホテルの名前が「ザ ロイヤルパーク キャンバス福岡中洲」、イベントやコンベンションが開催可能な多目的ホールの名前が「明治安田ホール」になることが発表された。建築物の概要は、地上14階建で、高層部がホテル(客室255室)、低層部が博多川に面した良好な水辺環境を生かして、街に開かれた緑化バルコニー・テラスといった、憩いの場となる。23年8月のオープンを予定している。

2月

八女市新庁舎

 新型コロナウイルスの影響で延期していた「八女市新庁舎建設工事」が着工した。同工事は東急建設(株)を筆頭とする、東急・イノウエハウジング特定JVが、51億2,115万9,000円(税別)で落札した。新庁舎建設のほか、既存庁舎の解体工事も含まれており、総工費は約58億円が見込まれる。RC造(免震構造)5階建、延床面積1万1,299.47m2の本庁舎棟のほか、S造平屋建、軽量S造平屋建の付属棟がそれぞれ1棟ずつ建設される。開庁は、24年5月を予定している。

八女市新庁舎/グラン・ザ・リラス

グラン・ザ・リラス

 (株)早川不動産が開発を手がける「グラン・ザ・リラス21」が着工した。リラスシリーズとしては13棟目で、戸数は同シリーズ最大規模となる全68戸。福岡県糟屋郡志免町御手洗2丁目、西鉄バス・御手洗停留所から徒歩1分、福北ゆたか線・柚須駅から徒歩15分ほどの場所で、23年2月の入居開始に向けて、(株)エスパース建設によって工事が進められている。

3月

INN THE PARK 福岡

INN THE PARK 福岡

 福岡市東区西戸崎の国営海の中道海浜公園内で21年5月から進められてきた滞在型レクリエーション拠点整備が完了し、リニューアルオープンした。九州地方整備局がPark-PFI制度を活用して進めてきたもので、同整備を担当したのは、海の中道パーク・ツーリズム共同事業体(構成メンバー:三菱地所(株)、積水ハウス(株)、(一財)公園財団、(株)オープン・エー)。目玉施設として“泊まれる公園”をコンセプトとする公園一体型宿泊施設「INN THE PARK 福岡(イン・ザ・パーク福岡)」が九州初上陸したほか、ドイツ製の高さ約17m(3層)の九州最大規模となるアスレチックタワー「シー・ドラグーン」なども登場。ほかに、海浜部を活用したカヌーやSUP、ホーストレッキングなど、多種多様なアクティビティも提供している。

博多駅空中都市プロジェクト

 九州旅客鉄道(株)は、検討を行っていた「博多駅空中都市プロジェクト」に着手することを発表した。同プロジェクトは、JR博多駅の線路上空を立体的に活用することで、博多駅の博多口と筑紫口の回遊性を向上させると同時に、国際ビジネス都市・観光都市に相応しい機能の拡充、新たな賑わいの創出を目指すもの。
 博多駅線路上空に新たな都市をつくろうという試みでもあり、博多駅から半径約500m、約80haを対象エリアに、容積率や高さ制限を緩和することでビルの建替えなどを促進する、博多コネクティッドを活用した取り組みでもある。オフィスやホテル、広場などを計画しており、竣工は28年末を予定している。

博多駅空中都市プロジェクトイメージ
博多駅空中都市プロジェクトイメージ

4月

天神イナチカ

 天神ビッグバン1号案件のオフィスビル「天神ビジネスセンター」地下に、新たな食の名所「天神イナチカ」がオープンした。デザインコンセプトは“曖昧模糊”で、古代よりアジアの玄関口である港町として、さまざまな文化が入り混じる都市の良さを表現した。

 天神イナチカには、和食、イタリアン、中華など、バラエティ豊かな飲食店12店舗が集結。12店舗のうち、ミシュランガイド東京で3連続星を獲得しているレストラン「sio」のオーナーシェフによるパスタ店「おいしいパスタ」およびカジュアルイタリアン「o/sio FUKUOKA」など4店舗が九州初出店、7店舗が新業態で出店した。

左)天神ビジネスセンタービル (右)天神イナチカ・炉端NUMBER SHOTの様子
左)天神ビジネスセンタービル
(右)天神イナチカ・炉端NUMBER SHOTの様子

ららぽーと福岡

 福岡市博多区那珂の青果市場跡地で開発が進められていた「三井ショッピングパーク ららぽーと福岡」がオープンした。九州初上陸となったららぽーと福岡には、シンボルとして約20mの実物大ガンダム立像「RX-93ff ν(ニュー)ガンダム」が設置されたほか、敷地面積約8万6,600m2に建設されたS造地上5階・地下1階建ての広大な店舗棟には、九州初出店の57店舗を含む、全222店舗が入居。JR竹下駅周辺と西鉄大橋駅周辺をつなぐ、新しい商圏の要として、ららぽーと福岡が新たな賑わい創出の一助になることが期待される。

(左)ららぽーと福岡(右)THE OUTLETS KITAKYUSHU(22年3月撮影)
(左)ららぽーと福岡
(右)THE OUTLETS KITAKYUSHU(22年3月撮影)

THE OUTLETS KITAKYUSHU

 北九州市八幡東区のスペースワールド跡地で「THE OUTLETS KITAKYUSHU(ジ アウトレット北九州)」がオープンした。スペースワールド跡地の約27万m2の敷地内に、S造・地上4階建、延床面積約5万7,000m2の建物を建てるほか、約4,500台分の駐車場(敷地外含む)や約800台分の駐輪場を整備。全体の出店店舗数は約170店舗で、そのうち約140店舗はファッション、スポーツ、アウトドアなどのブランドショップで構成される。エンターテインメントエリア内には、21年末に閉館した北九州市立児童文化科学館が「スペースLABO」として移転・リニューアルオープンしたほか、西日本エリア初の体験型英語教育施設「KITAKYUSHU GLOBAL GATEWAY」やアミューズメントパーク「ASOBLE」、ギラヴァンツ北九州運営のフットサルスクール「Gira Park HIGASHIDA」なども入る。

(つづく)

【代 源太朗】

(中)

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