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2017年12月07日 07:02

原発の本質的問題点は核ゴミ処理 地層処分マップ公表(後)

 日本のエネルギー問題における大きな課題の1つが原発である。福島第一原発事故のような大きな、致命的な事故のリスクも当然あるが、より現実的な、現在すでに直面している課題は放射性廃棄物の処理の方法だ。日本では高レベル放射性廃棄物を地中深くに埋める地層処分する方向で具体的な検討を行っており、経産省は7月、科学的に地域の特性を調べた地図を発表した。しかし、処分場を設置するためには地域住民の理解が必要となり、難航が続いている。

すでにある核ゴミは2万5,000本

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 高レベル放射性廃棄物はガラスと混ぜ合わされてキャニスタと呼ばれる容器に注がれて固められる。キャニスタは直径が約40cm、高さが1.3mの円筒形をしたもの。重さは約500kgだ。ステンレス製の容器が採用されている。このキャニスタをさらに金属で包む。これは外に漏れ出す放射線を減らすための措置で、オーバーパックと呼ばれる。約20cmの金属でキャニスタが覆われる。そのさらに外側を外部からの緩衝と水を通さないために粘土などで締め固められ、安定した地層に埋められることになっている。

 現段階では地層処分地が決定していないため、原発などで貯蔵されている。NUMO(原子力発電環境整備機構)は、現在、日本には約2,500本のガラス固化体があるとしており、これまでに国内の原発で使用した核燃料のすべてをガラス固化体にした場合は約2万5,000本になるとしている。ちなみに、まだガラス固化体になっていない使用済み核燃料は各原発で保管されている。

地層処分のメド立たず

 いくらオーバーパックされて放射線を減らしているとはいえ、もし、高レベル放射性廃棄物のキャニスタのうえに人が手を置いたとしたら、その命はすぐに失われる程度の放射線が漏れ出している。大変危険なゴミなのである。そのため、地下300m以上の安定した地層に処分しようとしているのだ。2017年7月、経済産業省は日本国内で高レベル廃棄物の地層処分場できる可能性のある場所を科学的に分析し、地図上にまとめて発表した。

 これを見ればいかにどこでもいいかがわかる。福岡県では、北九州の門司区周辺、福岡市の玄海島周辺の2点が地質上好ましくないとされ、遠賀郡エリアから南部にかけた地域と古賀市周辺から南部にかけた地域、県南の一部が将来の採掘の可能性の観点から好ましくない特性があると推定されているが、それ以外は相対的に好ましい、もしくは輸送面でも好ましい地域となっている。要は関門海峡と大地震があった地域、旧産炭地以外は大丈夫じゃないか、というマップなのである。

 つまり、日本のどこに地層処分場がつくられてもおかしくない、ということだ。ただし、処分場をつくるということは、地面の下に放射能をもつゴミが大量に捨てられることを意味する。十分な対策が練られているとはいえ、地下水に漏出したり、何らかの想定外の事態で放射線が漏れ出したりすることも考えられる。処分場をつくるためには地域の住民の理解が必要になるが、難航することは目に見えているし、事実、難航している。現在、地層処分への理解を深めるために国は出張講座などを積極的に行っているが、逆にいえば知識的素地をつくる段階にしか至っていないことを表している。

 NUMOは取材に対し「地層処分場は厳密な調査が必要になる。調査には約20年かかる予定で、現段階では調査を受け入れる自治体を探しているところ。まずはこういった問題があるということを知ってもらうために講座などを開いている」とコメントした。すでにあるゴミをどうするのか、という問題を解決するための第一歩である理解を早急に進める必要があるいうことなのである。

 原発が抱える本質的な問題点は核のゴミから放射能を減衰させることができないこと、それを処理するための方法が現段階では絵に描いた餅であるということである。とはいえ、すでに核のゴミはあるし、原発の再稼働が続いているため今後、増加していくことになる。短期的な経済性を優先した結果、長期的なリスクを抱えることとなっているのだ。出口の見えない議論がむなしく続く。

(了)
【柳 茂嘉】

 
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