2024年04月20日( 土 )

中国経済新聞に学ぶ~海外農産品 中国へ輸出拡大(前)

記事を保存する

保存した記事はマイページからいつでも閲覧いただけます。

印刷
お問い合わせ

 イタリアのキウイ、米国のリンゴ、スペインの桃、タイのコメ……このほど上海市で開催された第9回中国国際農産品貿易マッチング会には、世界各国から特色ある高品質の農産品が数多く集まった。会場の展示面積は2万7,000m2に迫り、野菜、果物、園芸の3つのブロックが設けられ、国内外の企業100社近くが商品を展示した。また中国、韓国、マレーシア、インドネシア、スペイン、ポーランド、メキシコ、チリ、オーストラリアなど、各国の政府関係者や専門家、企業の代表など約500名が参加した。

野菜の栽培に新技術

 「これは欧州で直接収穫したもので、新鮮で健康によいことは証明済みのイタリア産キウイです」。展示台に整然と並べられた新鮮なキウイを前にして、イタリアの代理業者が来場者への説明を行っていた。
 「このキウイの産地はアルプス山脈を後ろに控え、そのほかの三方は海に面しているので、土壌が肥沃で、日差しを十分に浴びている。イタリア産キウイは実がずっしりして、サイズが均一で、酸味と甘みのバランスが独特で、食べると甘みが口の中いっぱいに広がる」という。

 農産品だけでなく、農業生産技術を提示する企業もあった。日本企業の担当者は、「LED照明を利用したコンテナ式植物プラントは、水と光だけで効率よく野菜を栽培し生産することができる。高効率の照明を設置し、栄養剤の調合、決まった時間ごとの水やり、温度や湿度の管理などにより、改良後のコンテナで植物の生育状況のコントロールと標準化生産が可能になった。現在はレタス、コリアンダー、ホウレン草などの野菜の栽培が可能」と説明した。

 駐中国オランダ大使館のマルティン・オルデ・モニコフ農業参賛は、「生活水準がますます向上するにつれて、質の高い野菜、果物、花卉に対するニーズが増加を続けている。中国が直面する課題は食品の生産量と品質について日々増大するニーズにどのように答えるかであり、オランダも同じような問題に直面している。オランダは自然資源が豊富とはいえず、革新の知識と資本によって農業を発展させるしかない。目下、オランダはこの方面でまずまずの成果を上げており、中国とオランダ両国の農業協力の潜在力は大きい」と述べた。

農産品の販売業者は大忙し

 ポーランドの貿易会社の中国事務所の関係者は、マッチング会で内蒙古(内モンゴル)自治区の卸売業者と基本的な協力の意向で一致した。「昨年に中国市場への参入資格を獲得したばかりで、まさか今回のマッチング会の初日に協力の意向で一致するパートナーが見つかるとは思わなかった。農業から食卓まで、私たちは高い基準の生産管理モデルを堅持しており、主に魚類、水産品、乳製品類などを取り扱っている」と述べた。

 「今年の『ダブル11』(11月11日のネット通販イベント)期間には、マレーシアのホワイトコーヒーの販売高が6億人民元(役102億円)に達した」。
 駐中国マレーシア大使館のアーズミー農業参賛は、中国・マレーシア両国の農産品貿易協力の見通しを高く評価したうえで、「マレーシアのパーム油、ゴム、パイナップル、シーフードは中国で人気がある。今後は魚類と高付加価値の農産品の対中輸出を増やしたい。外資誘致のさまざまなお優遇政策を打ち出すことも可能で、中国企業がマレーシアで投資したり事業を興したりするのを歓迎する」と述べた。

(つづく)


中国経済新聞を読もう

<連絡先>
■(株)アジア通信社
所在地:107-0052 東京都港区赤坂9-1-7
TEL:03-5413-7010
FAX:03-5413-0308
E-mail:china@asiahp.net
URL:http://china-keizai-shinbun.com

 
(後)

関連キーワード

関連記事