2024年05月17日( 金 )

九経調・研究報告会「ITSが拓く地域経済活性化」開催

記事を保存する

保存した記事はマイページからいつでも閲覧いただけます。

印刷
お問い合わせ
法人情報へ

 福岡市の民間シンクタンクである(公財)九州経済調査協会(略称:九経調)は18日、自主研究事業報告会「ITSが拓く地域経済活性化」を開催した。九経調では、こうした研究報告会を公益法人改革にともなう幹事会設置をきっかけに、2014年度より開始している。これまでにも「地方創生」や「道路ストック活用」などをテーマに、年に1回開催してきた。今回は、モビリティ・イノベーションが求められる地域課題のなかでも、人手不足や働き方改革への対策が急務である物流業界に着目。安全運行支援や幹線・末端輸送の効率化に向けて、ITSを活用した地域プロジェクトの必要性や方向性について、調査研究を行った。

 「ITS」(高度道路交通システム)とは本来、情報通信技術を用いて交通事故の抑制など道路の安全対策を進めるためのシステムのことで、今回の研究では、とくに地域経済を支える物流業界が抱える「人手不足による業務改善圧力」と「働き方改革による制度的圧力」という2つの課題を解決するためにITSがどのように利活用できるかについて、九経調・主任研究員の中川敬基氏が解決策の提示などを行った。

 同会では今後、九州のモビリティ・イノベーションの推進に向けて、次世代モビリティ・物流戦略の策定や、それにともなう4つのプロジェクトの検討・実施体制の構築などを進めていくといい、来年度に向けては「Society5.0を主導する企業ならびに事業の実態調査(課題)」をテーマに自主研究を行っていくとしている。

【坂田 憲治】

関連記事