2024年04月23日( 火 )

今年2018年の漢字は「災」

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 (公財)日本漢字能力検定協会(本部:京都市東山区/代表理事:高坂 節三)は、毎年年末に今年一年の世相を表す漢字一字とその理由を全国から募集。今年も12日に京都・清水寺の森清範貫主が手渡された二重封筒を開封し、193,214票の応募のなかから、20,858票(10.80%)を集めて1位となった「災」(わざわい)を、勢いよく揮毫して発表した。
協会は、応募者が「災」を選んだ理由について下記を挙げている。

◆全国的に地震、豪雨、台風、猛暑などの自然「災」害の脅威を痛感した一年。 
◆「災」害の経験から全国的に防「災」意識が高まり、多くの人が自助共助の大切さを再認識した年。
◆仮想通貨流出、スポーツ界でのパワハラ問題、財務省決裁文書改ざん、大学不正入試問題などの事件が発覚し、多くの人がこれらの出来事を人「災」や「災」いと捉えた。

【表1】、【表2】を見ていただきたい。
<これらの表から見えるもの>
◆第1位は「災」。今年も島根県西部(4月9日)・大阪北部(6月18日)・北海道胆振東部(9月6日)で震度5以上の地震が発生。また全国的に豪雨、台風、猛暑などの自然災害が相次いだことによる。災は2004年にも第1位となっており、2回目の選出となった。
◆第1位が一番多いのは「金」で3回。2位1回。いずれもオリンピック開催年となっている。3位が1回の計5回と一番多い。(【表2】参照)
・2016年の第1位はオリンピックの金だけでなく、日銀のマイナス金利政策の導入も大きく表を獲得したようだ。
・1997年に第3位となった金は、山一證券や北海道拓殖銀行など金融機関の倒産によるもの。

<まとめ>
 「乱」は1位になったことはないが、2位が3回、3位が3回で計6回と一番多いのがわかる。来年は米中の貿易戦争および日銀のマイナス金利政策の影響を受けて経営悪化が続く国内金融機関の再編の行方が、国内外経済の波乱・混乱要因になると予想されている。また5月1日に即位する新天皇の一世一代の新元号が4月1日以降に決まる予定。そして7月24日より東京オリンピック・パラリンピックが9月6日まで開催される。
はたして、来年の「今年の漢字」の第1位は再び「金」が選ばれるのか。それとも新元号の頭文字となるのか。新年を迎えるにあたり、政治不信、経済不況による「乱」が3位以内に入ることがないよう祈っている。

※クリックで拡大

紅葉の清水の舞台
(2016年11月20日)
改装中の清水寺
(2018年10月21日)

 

【(株)データ・マックス顧問 浜崎裕治】

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