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2019年01月15日 15:12

雄大な富士山を眺めながらココロとカラダをリフレッシュ 静寂さのなかで、マインドフルネスを体感(前)

 静寂さのなかで体感する「富士山の時空と神話にあやかる場」―。富士山観光で有名で、避暑地としても知られる朝霧高原で、統合医療を実践する山本竜隆医師。10年程前に開設した朝霧高原診療所(静岡県富士宮市)は、富士山の西麓に広がる雄大な裾野に位置する富士・箱根・伊豆国立公園内の標高700mの中山保養地にある。山本医師は、診療所を拠点に地域医療に携わる一方、自然・環境・癒し・食などをテーマに、仲間が集う場として富士山静養園、日月倶楽部を開設した。世界のウェルネスリゾートやホリスティックリトリートに精通する医師が、各種ヘルスプログラムで心身のアップグレードをサポート。マインドフルネスの体感・滞在型施設となっている。

 ―山本先生と出会った当時は東京・四ツ谷にある統合医療ビレッジの院長として、西洋医学と東洋医学を融合させた医療を実践されていました。今は、それを発展させ、自然環境のなかで新たな統合医療を実践されていますが、この地で統合医療を実践しようと思い立ったきっかけをお聞かせください。

 山本 少子高齢化の流れは、医療過疎化の要因となっていますが、一方では地域特性を生かし持続的なコミュニティをつくる地方創生の考え方が注目されています。自然への憧れ、そして田舎に魅力を感じている都市部の医療従事者に、仕事と生活の場を提供しながら、医療過疎地問題を解決することが、農村や森林地域での新たな統合医療のスタイルだと考えました。地域医療という過疎地に貢献する医療と、地域資源を活用する滞在型自然療法を車の両輪として実践することが、運営面においても良い医療モデルになると考えています。

富士山静養園

 そのヒントとなったのは欧州で伝統的に行われてきた自然療法です。私は、聖マリアンナ医科大学を卒業後、病院勤務を経て都内の統合医療ビレッジで患者主体の医療を目指していました。ここには全国各地から患者さまが来院され、それなりに充実していましたが、多忙を極めストレスも溜まっていました。そんな時に思い出したのが、統合医療の師であるアリゾナ大学のアンドルー・ワイル博士からのアドバイスでした。ワイル博士のもとで統合医療の研修を受けていた時、博士から「君が目指す医療のお手本は、欧州の田舎にあるよ」と言われたのです。その言葉に導かれるように、統合医療ビレッジを辞め、ドイツやイタリアの自然環境を生かした郊外型の医療施設を視察して回りました。

 ドイツでは緑豊かな丘陵地に建つ隠れ家のような施設に出会いました。イタリアでは海辺のリゾートにあるコテージのような施設を発見しました。いずれも“病院”という無味乾燥なイメージとは無縁で、近隣の人たちが気軽に立ち寄り、また、遠方から訪れる人も多くいました。これら欧州の片田舎にある医療施設は、自然の力を取り込みながら心身を癒す滞在型の医療施設であり、また、リラクゼーション施設だったのです。

 自然に触れることで心身を癒し、健康を取り戻す医療のかたちを知ったとき、私は「目指す医療がここにある」と確信しました。田舎で、地域医療と都会人の統合医療施設を両立させる―。これが朝霧高原診療所の出発点となったのです。

 朝霧高原診療所は、この地域では51年ぶりの医療機関として、内科・小児科・皮膚科・漢方内科を標榜し、外来のほかに在宅医療の往診などを行っています。また、学校医(5校)、産業医(18社)を担っているほか、富士宮市医師会の救急医療センターの当番医など、地域の幅広い分野の医療活動に従事しています。

(つづく)

【取材・文・構成:吉村 敏】

<プロフィール>
朝霧高原診療所 院長 山本 竜隆(やまもと・たつたか)氏
医師、医学博士。専門は、一般内科、東洋医学、予防医学、統合医療。聖マリアンナ医科大学医学部医学科卒業、昭和大学大学院医学研究科博士課程修了。米国アリゾナ州アリゾナ大学医学部「統合医療プログラム Associate Fellow」修了。統合医療ビレッジチーフプロデューサー兼院長、聖マリアンナ医科大学予防医学非常勤講師、昭和大学医学部第一生理学非常勤講師、中伊豆温泉病院内科医長、(株)小糸製作所統括産業医・静岡工場診療所所長を経て現職。日本東方医学会学術委員、日本統合医療学会指導医、日本ホリスティック医学協会理事、メディカルハーブ広報センター理事、日本人間ドッグ学会認定指定医、日本医師会認定産業医、日本東洋医学会認定専門医、(一社)リラクゼーション業協会顧問医師、ほか。

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