2024年03月29日( 金 )

石畳風舗装により、趣が増した御供所通り

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御供所通り「石畳風」舗装工事が完了~福岡市・博多旧市街プロジェクト

 博多旧市街プロジェクトの一環として進められていた御供所通りの石畳風舗装工事が6月末、完了する。石畳風舗装工事の対象となったのは、国道202号と明治通りを結ぶ延長約600mの区間。2019年3月末までに同路線約430mが完成し、約170mの区間が残っていた。同プロジェクトにともなう石畳風舗装工事は、櫛田表参道(大博通り〜櫛田神社間、約230m)で今年3月末に完了していた。

 博多旧市街プロジェクトは、点在する歴史・伝統・文化の魅力を市民や観光客にわかりやすく伝え、満足度を高めるストーリーづくりを展開するとともに、出来町公園を観光拠点として整備することなども含めた旧市街を感じさせるまちなみづくりを行い、観光客の増加および滞在時間の延長を図り、地域経済の活性化につなげることを目的としたプロジェクト。17年12月に始動した。

 櫛田表参道の石畳風舗装は、通常のアスファルト舗装を加熱し、型枠を押し付け、表面を塗装したもの。石畳風舗装は、通常のアスファルト舗装に比べ、趣きのある視覚的な効果が得られるほか、本物の石畳に比べ、コストやメンテナンス性に優れるなどのメリットがある。

 御供所通りにおける石畳風舗装には、バス停や交差点などで用いられる半たわみ性舗装に目地を切る工法を採用。通常の舗装に比べ強度が高いため、わだち堀れが生じにくく、路面の平坦性を長期に確保できる。さらに、追い山笠の走行に支障が出ないよう、舗装の目地を山笠の進行方向に交わる延長を短くするなど配慮した。側溝には、福岡コンクリート製品協同組合と共同開発した管渠型側溝を採用。通常のL型側溝に比べ、道路の有効幅員を約40cm拡大させることで、視覚的な効果も狙った。

 同市道路下水道局の担当者は「石畳風舗装により、通りの趣が増した。今後、櫛田表参道については、電線の地中化を検討し、さらなる景観の向上を図りたい」などとしている。

 同プロジェクトでは、「御供所・寺町の回遊・観光拠点」として、出来町公園をリニューアル。福岡市では現在、公園に併設する観光バス乗降場を運営している。公園の「休養施設等設置・管理運営事業」については公募を行うとしているが、スケジュールなどは未定だ。

【大石 恭正】

<プロフィール>
大石 恭正(おおいし・やすまさ)

立教大学法学部を卒業後、業界紙記者などを経て、フリーランス・ライターとして活動中。1974年高知県生まれ。
Email:duabmira54@gmail.com

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