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2019年09月09日 17:08

西日本新聞よ!現実を直視せよ(1)─(株)西日本新聞社OB鼎談(ていだん)─

 創業140年超の歴史をもち、一時は九州・山口県の地方紙(ブロック紙)の雄として、新聞業界で脚光を浴びていた西日本新聞社。しかし、購読者の激減により、業界全体が斜陽となった現在、同社も正念場を迎えている。同社のグループ会社、保有資産の整理、人材難など、残念ながら明るく、前向きな話題は皆無である。このような同社の現況を憂いた同社OBにお集まりいただき、同社の歴史を回顧しながら、西日本新聞の「これから」について語っていただいた。

(聞き手:弊社代表取締役 児玉 直)

国内地方紙の雄として

 ――本日はご多忙のなか、お集まりいただきましてありがとうございます。皆さまが長年にわたって勤められた西日本新聞社は、創業142年になります。国内地方紙の雄として、地域社会の発展に貢献してきた同社ですが、近年の斜陽ぶりは深刻な状況であると思われます。同社で多才な能力を発揮されてきた皆さまに、同社が生き残るために、「これからどうあるべきか」について大いに語っていただきたいと思います。まずはAさん、よろしくお願い申し上げます。

 A:私は、1953年(昭和28年)に発生した三井三池争議に代表される、労働争議 「まっただ中」の時期に西日本新聞社に入社いたしました。

 新聞社に入社したのですが、記者や広告局などの現場ではなく、なぜか管理部門へ配属されました。それから、10数年、管理部門での仕事に従事いたしました。

 当時、福岡の地場大手企業でも労働争議が発生し、経営側がロックアウトする事態が続き、地元経済界は、混乱していました。私が入社して数年後、同社でも労働争議が発生いたしました。当時、新聞各社も、労働争議がピークで、労働組合が血気盛んでした。

 経営側がバリケードを張るなど組合員側と一触即発の状況が続きました。私は当時30歳前で、その争議を沈静化させるための組合側との交渉役が、私の主な業務でした。

 10数年間、その業務に明け暮れ、会社に泊まり込みながら、組合員との話し合いに終始しました。組合員側は、会社ではロックアウトしているため話し合えないので、経営陣の自宅まで乗り込んでいく面々もおりました。

 私を含め管理側の人間は、組合員側から相当な圧力をかけられました。つまり、入社からそう経過していないにもかかわらず、争議の最前線に立たされたのです。そのように混乱したなかでも、新聞は発刊され続けました。記事の内容は、決して充実したものではありませんでしたが、幹部社員が総掛かりで「何が起ころうが、読者の皆さまに必ず新聞を届けるのが我々の使命」として、発刊し続けました。当時のメンバーは、新聞社としての矜持をもっておりました。

 ――地方紙業界をけん引する立場としての使命感ですね

 A:そうです。皆、同社の仕事に誇りをもち、それぞれの立場で、活動しておりました。西日本新聞社に誇りをもっていたのです。

 若い時は、労働争議という過酷な日々を過ごしましたが、今振り返れば良い思い出です。皆、血気盛んで意欲に満ち溢れて仕事をしていました。

 ――Bさんは、西日本新聞社のグループ会社で活躍されていました

 B:そうです。Aさんは大先輩です。

 私は、西日本新聞社グループの広告代理店・西広に入社いたしました。西日本新聞社の発展期から下り坂となる時期にかけて、同社で過ごし、主に長崎、そして福岡など、北部九州エリアの営業を行ってきました。

 新人のころ、博多東急(現在の西鉄イン福岡)最上階の13階にあったレストランに先輩方に連れて行っていただき、ご馳走になりました。那珂川沿いにあり、福岡の都心部を見渡せるすばらしいロケーションでした。

 「自分も1日でも早くご馳走できる立場になれるように仕事にまい進しよう」とモチベーションが高まったことを思い出します。まだ青二才でしたが、本当に楽しい時期でした。 

 30歳前に長崎での営業が中心になりました。とにかく猛烈に仕事に打ち込みました。広告の仕事が楽しかったからです。なぜなら幅広い分野の業界の方々とのご縁ができたからです。

 A:当時よりBさんは、西広を代表する有能なメンバーのお1人で、寸暇を惜しんで仕事をされておりました。

(つづく)
【河原 清明】

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