2024年04月20日( 土 )

博多駅前の西日本シティ銀行本店ビルが再開発へ ~ 新ビルは2025年2月竣工予定

記事を保存する

保存した記事はマイページからいつでも閲覧いただけます。

印刷
お問い合わせ

 (株)西日本シティ銀行は19日、JR博多駅前の本店ビルを再開発する方針を発表した。福岡市が進める再開発プロジェクト「博多コネクティッド」を活用し、本店ビルのほかに、エリア内に所有している本店別館ビルと事務本部ビルも連鎖的に再開発していく。これにより、現在3棟に分かれている西日本シティ銀行としての機能を、新本店ビルへと集約する。現本店ビルは来年6月ごろから解体に着工し、新本店ビルの竣工は2025年2月ごろを予定。

 現本店ビルは、「福岡相互銀行本店」として1971年11月に竣工したもの。JR博多駅・博多口の一等地の約5,226m2の敷地にある地上12階・地下2階建てのビルで、現在は西日本シティ銀行の本店営業部のほか、グループ会社などが入居。外壁全面が茶褐色のインド砂岩で覆われた重厚な雰囲気が特徴で、“建築界のノーベル賞”といわれる「プリツカー賞」を今年受賞した、大分出身の世界的な建築家・磯崎新氏の設計としても知られている。

 その特徴的な外観から、博多口のランドマークとして親しまれていた現本店ビルだが、築48年が経過し老朽化が進行。そのため、本店別館ビル(築51年)および事務本部ビル(築40年)とともに、耐震性や機能性に優れた先進的なビルへと再開発していく。

 新本店ビルは、地上1階部分がにぎわい創出に寄与する商業フロアとなる。地下1階部分には、博多駅地下街やこれから開業する七隈線・博多駅ともつながる広場を整備することで、回遊性の向上にも寄与する。また、地上2階から9階部分が銀行スペースとなり、2階に銀行窓口が設置される予定。

 新本店ビルの具体的な設計はこれから固めていくが、博多コネクティッドの容積率緩和策を最大限活用することで、ビルの延床面積は約2倍超になる見通し。また、ビルの高さも、現在の地上12階建てから、地上13~14階程度に伸長される。

 現本店ビルの解体は来年6月ごろから始まり、新本店ビルは22年7月ごろに着工、25年2月ごろに竣工となる予定。なお、現本店ビルに入居している西日本シティ銀行本店営業部は、解体および新本店ビル建設期間中は本店別館ビルへと仮移転し、新本店ビル竣工後に再度移転する。その際、現在は本店別館ビルと事務本部ビルに入居している西日本シティ銀行の福岡支店などは、新本店ビルへと集約される計画。

 また、本店別館ビルと事務本部ビルは、25年5月ごろから解体に着手。両ビルは銀行機能を新本店ビルへと移管することで、新たに商業施設やオフィス機能を備えた複合ビルへと建替えられる予定で、28年9月ごろに新ビル竣工の予定となっている。

 なお、特徴的な現本店ビルの意匠については、今回の3棟の連鎖的再開発のなかで、(株)磯崎新アトリエの助言を得ながら、一部を移設・保存していく予定となっている。

【坂田 憲治】

▼関連リンク
「建築界のノーベル賞」に大分出身の建築家・磯崎新氏

関連記事