2024年04月20日( 土 )

北大との共同研究でこんにゃく摂取によるアルツハイマー病の発症予防を確認~ダイセル

記事を保存する

保存した記事はマイページからいつでも閲覧いただけます。

印刷
お問い合わせ

 (株)ダイセル(本社:大阪市北区、小河義夫社長)は19日、北海道大学との共同研究で、こんにゃく由来のセラミドが、アルツハイマー病の発症を予防する効果を発見したと発表した。

 アルツハイマー病の発症は、アミロイド ß 前駆体タンパク質から切断して産生する、アミノ酸由来の生理的ペプチド「アミロイドβペプチド(以下Aß)」が、脳内に過度に蓄積することが原因の1つとされ、Aßが「エクソソーム」という物質と結合することで分解・除去されることが解明されている。

マウスを使った実験の図
※クリックで拡大

 研究ではAßが過剰に発現したマウスに対し、こんにゃくセラミドを1日1mg、継続的に2週間経口投与する試験を実施した結果、血液・脳内のエクソソーム量が上昇し、こんにゃくセラミドに神経細胞由来のエクソソーム分泌を促す作用があることを確認した。さらに増加したエクソソームがアミロイドβペプチドを分解・除去し、脳内のアミロイドβペプチド濃度が低下したことで、短期記憶の改善効果が認められ、アルツハイマー病発症を防止できる可能性があることが示唆された。

 同社は今回の研究成果を受け、今後はヒト介入試験による、こんにゃくセラミドの認知機能改善効果について検証していく予定。なお研究成果は、11月14日に英国のネイチャー・リサーチ社が発刊しているオンライン学術雑誌「Scientific Reports」に掲載された。

関連記事