• このエントリーをはてなブックマークに追加
2020年02月14日 11:00

「検察崩壊元年」ゴーンの反撃(7)

繰り返される検察の暴走、そして冤罪

 ゴーンの国外脱出事件について検察は「何らかの犯罪容疑」で大規模な捜査を開始した。報道によれば密出国罪と犯人隠避罪の嫌疑のようである。日本のマスコミは検察の御用報道機関か従軍記者の役割を平気ではたすから、国民は結果として誤誘導されてしまう。

 問題となっている報道のうち最大の「嘘」はゴーン事件の裁判がいったん停止され、結局、ゴーンが死亡するまで開かれず、死亡した後、公訴棄却となる、とする法律専門家の「見通し」などに示される、「裁判の一旦停止説」である。

 ゴーン事件は共犯事件であり、ケリー被告は日本に滞在しており、ゴーンだけが事実上出廷できないだけである。ゴーンの第一の被疑事件である有価証券報告書重要事項虚偽記載罪の裁判の進行はまったく可能である。

 また、ケリーの被告人としての権利保護のため、審理を分離してでも進行させなければならない。そして、裁判における重要争点は同一であるからゴーン事件の隠された真相は迅速に解明されるし、されなければならない。ゴーンが在廷しない分、ゴーンに多少の不利が生じてもそれはゴーンも覚悟の上でのことである。

 ゴーンの国外脱出を口実に検察と裁判所がケリーの裁判まで停止させたら、国家あげてゴーン冤罪事件を闇に葬ることになる。国民は検察の巧みな誤誘導に騙されないようにしなければならない。

 このまま裁判が停止されれば、検察にとって最大の成果となる。「ゴーンは投獄されるのを嫌って国外に逃亡した」と主張でき、事実上の勝利宣言ができるからである。

 さて本題に戻って、ゴーンの国外脱出事件は裁判所がつくった事件であるという側面を日本国民は理解しなければ、世界の批判「人質司法」を真の意味で理解しないことになる。

 ゴーンは外国人で日本に国籍をもたないし、家族との家庭生活の本拠である自宅も外国である。そのゴーンを日本の東京の狭い地域に居住させ、厳重な報道管制と接触禁止の状態に置くことはわかりやすくいえば「座敷牢」に「軟禁」していることである。

 刑事被告人が全員このような「座敷牢」に「軟禁」されて刑事裁判を受けているなら、日本はまさに人質司法の国であり、世界の批判は当たっている。刑事被告人といえど、正当な弁論権反論権は保証されなければならない。それは一定の最低限の居住の自由(精神を安定させる場所)も含まれる。外国人の場合、国籍のある国の家族との本来の住居での生活が最低限の居住の自由である。これを奪われればすでに苦痛であり、事実上の処罰である。

 裁判所がゴーンに国籍のある国での家族との生活を認めた保釈条件をつけていれば、そもそも「脱出事件」は起こりようがなかった。ゴーンが国外に出れば、そのまま脱走逃亡するという検察官的予断はまったく外国人被告人を最初から有罪視する見解で、近代刑事裁判思想に反し、憲法の理念(外国人であっても基本的人権の保障があること)に真っ向から違反する。

 検察官が起訴の段階になってもまだ、「証拠隠滅のおそれ」を主張すること自体、証拠が薄弱か、自白だよりの立証であることの反映である。従って、具体的には何もない「証拠隠滅」の主張となっている。

 たとえば、妻との接触が禁止されているが、この論理で行けば、すべての人間との接触を禁止しなければならず、またできることになる。

 検察は妻が将来、重要な証人となって証言する際、事前に自由な接触を許せば「口裏あわせ」をするからそれが「証拠隠滅」にあたる、と主張する。

 これはまるでゴーンが真犯人でそれを妻が知っているという前提の論理であるから、まず、その前提となっている理由事実を立証してからしか主張できないはずである。

 事実、本件では妻も検察から厳しい捜査尋問を受けている。それでも、なおかつ妻との接触を禁止するのは、もはや確たる証拠はなく、想像捜査(見立捜査)と訴追に他ならない。だから「自白」するまで拘束・監禁するのを常道とすることになる。

 ここで国民は奇妙な日本の裁判実務での証拠法則を知るべきである。身内の証言は一般に信用性がないとして、その証言の内容の真実性を検討するまでもなく排斥されるのが基本である。

 しかし、それが検察の見立てと一致する場合は強力な決定的証拠として取り扱われる。被告人に虚偽の自白をさせる場合にも、「妻が自白している」とか「身内の者が自白している」とかの虚偽誘導で自白を強要した例は無数にある。だからゴーンの妻も厳しい取調べを受けた。

(つづく)
【凡学 一生】

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

     

トップニュース

2020年07月16日 17:01

【中洲クライシス】中洲のクラスター発生店はキャバクラ「JOY CLUB」 入居階はすでに封鎖

 データ・マックスの調べで、感染が確認された7人のうち30代の女性2人が、福岡市・中洲のキャバクラ店「JOY CLUB」の従業員であることがわかった...

2020年07月16日 15:38

中国で大雨、洪水が続く。死者4,000人を出した1998年大洪水の再来か

 中国の大雨が続いている。中国政府の応急管理部(防災担当)によると、7月13日の時点での被災状況は以下の通り...

2020年07月16日 14:50

ポーゲンポールジャパン(株)(東京)/キッチンシステム販売

 同社は、6月1日までに事業を停止し、事後処理を弁護士に一任。破産手続き申請の準備に入った...

感染拡大だけでないGoTo政策致命的欠陥

 国民の利益を第一に捉えて政策に変化が生じるのならやむを得ない。しかし、国民の利益ではなく、自分自身の個人的な利益を優先して政策がコロコロ変わることは許されない...

2020年07月16日 12:32

家賃保証サービスのジャパンレントアシストコーポレーションが解散へ

 家賃保証サービスを行う(株)ジャパンレントアシストコーポレーション(大阪府)は16日、代理店、取扱店、オーナーに向け「弊社解散のご通知書」を出した。

2020年07月16日 12:10

福大、福工大に爆破予告、本日「16日16時に建物4カ所を爆破」

 福岡大学は10日、インターネットの掲示板に「福岡大学の主要建造物4カ所を7月16日(木)16時に爆破し、その後キャンパス最寄り駅のどこか1カ所付近で人混みに向かって...

2020年07月16日 11:11

お仏壇のはせがわ中興の祖・長谷川裕一氏の経営者としての最終的総括(4)2000年公的経営活動においても信用失墜

 経営者として2000年3月期において特別損失14.8億円計上することで長谷川裕一氏の責任が浮上した。ここから社長辞任へのスタートが始まった。同じことが同時に進行した...

2020年07月16日 10:43

博多スターレーン跡地のオフィスビル着工~2022年7月開業目指す

 ボウリング場やプロレスの試合会場として人気を博した「博多スターレーン」跡地で計画されている「(仮称)博多駅東一丁目計画」が、15日、着工した...

2020年07月16日 09:43

大成建設、作業員15名が新型コロナウイルスに感染

 大成建設(株)は、15日、東京都内の作業所に従事する同社従業員15名(社員11名、派遣社員4名)が新型コロナウイルスの感染検査を受け、「陽性」だったことを発表した。

2020年07月16日 07:00

イオン、連日の被災地支援に注力

 イオングループによる7月の豪雨の被災地への支援が活発化している。「災害時における物資の調達支援協力に関する協定」を、700超の地方自治体・団体と締結していることが理...

pagetop