2024年04月29日( 月 )

パチンコホールを襲う新型コロナショック

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 新型コロナウイルスによって、重苦しい「自粛ムード」が列島を覆う中、鬱々とした気分を晴らすかのように槍玉にあげられているのが、パチンコホールだ。パチンコホールは大勢の人が集まる場所であり、提供する遊技は、まさに不要不急のサービス。「パチンコホールこそ休業すべきだ」と、多くの声が挙がっている。

 しかし、パチンコホール側もすでに対策を講じており、パチンコホールの存在そのものを全否定するかのような雰囲気には、正直違和感がある。新型コロナウイルスを契機に、「不特定多数から向けられる悪意」が、パチンコホールを襲う。

パチンコホールに神のご加護を
パチンコホールに神のご加護を

 全国でパチンコホール「マルハン」を300店舗以上展開する(株)マルハンは、新型コロナウイルスの感染拡大防止を目的として、北海道全33店舗の店内消毒・払拭作業を実施。これにともない、3月5日~19日の期間、対象店舗の営業時間短縮を決めた。営業時間中も定期的に換気を行うほか、従業員に対してマスク着用や検温を徹底するなど、来店客の安全確保に取り組んでいる。北海道以外の地域の店舗に関しては「状況を見て、都度判断してまいります」(同社担当者)とコメント。

 また、トイレットペーパーの盗難などはないものの、地域によっては稼働率が低下しており、業績にも影響を与えるとしている。

 新型コロナウイルスはパチンコメーカーの活動も阻害する。中国の工場が稼働停止に追い込まれたことで部品の供給がストップ。部品確保のため、パチンコホール側に対して部品取りを依頼するなどの対応に追われる。また、パチンコホールへの臨店時にはマスク着用が義務付けられるなど、感染リスク低減のための取り組みも行われている。

 世間がパチンコホールに対してもつイメージは決して良いとはいえない。だからこそ、新型コロナウイルスに対しては、大規模ホールを中心に相応の負担を覚悟で対策が講じられた。中小規模ホールもできる範囲でこの動きに続いている。

 パチンコホールに対する批評は、先行するイメージに引っ張られず、実際の動きも加味したうえで行わなければ、フェアとは言えないだろう。

【代 源太朗】

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