2024年04月20日( 土 )

将来の上場を見据え労務環境を整備~働いて楽しいと思える会社に(2)

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(株)タケノ 代表取締役社長 竹野 孔 氏

 (株)タケノの代表取締役社長・竹野孔氏は若くして焼き鳥屋を創業し、一代で40数店舗を構える飲食チェーンを築いた。上場を見据え労務環境の整備に努めつつ、2019年には新本店ビルを新築し、工場を増設するなど、100店舗、売上高100億円という目標に向けて着実に歩みを進めている。現在の状況と今後の事業展開について、竹野氏に話をうかがった。

(聞き手:(株)データ・マックス 執行役員 鹿島 譲二)

繁盛店づくりの秘訣とは

 ――繁盛させる法則とは何でしょうか。

 竹野 おいしい、安い、早いでしょうか。安いというのは絶対的な金額ではなく、価格以上の価値を提供できるかどうかです。当社が提供する1万円のコースも、お客さんにその価格以上の価値があると思っていただいているという自負があります。

 一番重要なのは立地だと思います。その次は接客、料理だと思います。立地が悪い店で繁盛している店は、その店に行くという目的がはっきりしている来客がほとんどであり、また立地が悪い場所で広い店では難しいです。

 ――好立地と思われる場所でも、テナントが頻繁に入れ替わる店もありますね。

 竹野 立地が良いというのは、天神や博多の駅近く、真ん中にあるということではなく、そのエリアに競争相手がいないということです。大事なのは商圏人口ではなく、支持人口でして、たとえ商圏に人口が多くても、競合がいればそのぶん客は減ってしまいます。当社が以前に出店した店は初日から大繁盛でしたが、それは味の面よりも、周りにほかに競合店がなかった立地に出店できたことが大きかったのだと思います。

 ――小売業界では、そのようなエリアには競合相手が進出してきます。貴社のような飲食業の場合は、きちんと顧客をつかんで繁盛を維持することができるのでしょうか。

 竹野 可能ではありますが、ある店が繁盛しているエリアには競合が進出してきますね。そのような状況が発生しないのが駅です。駅のなかにはたくさん店がありますが、基本的に同じ業態の店同士の競合が生じないように、駅側が違う業態の店を誘致しており、ある業態の店が繁盛しているからといって、同じ業態の店を入れることはしません。

東比恵店 店内

 ――本店の客層について、ビジネスマンが多いというイメージをもっていましたが、実際に見てみると家族連れも多いですね。

 竹野 週末は小さい子どもも含めて多いですよ。本店は周囲にマンションが多く、週末はまるで幼稚園になったかのように子どもも楽しんでいます。ただ、以前と比べ周囲の住宅は減ってきたという印象を受けます。平日は会社員が多いです。駅立地の店は平日には会社員が多く、週末には来客が少なくなり、郊外立地の店はその反対で、週末は良いが平日はあまり良くないという状況です。

(つづく)

【茅野 雅弘】


<COMPANY INFORMATION>
代 表:竹野 孔
所在地:福岡市博多区博多駅南4-18-27
設 立:1979年4月
資本金:3,000万円
売上高:(19/3)26億900万円

<PROFILE>
竹野 孔(たけの・とおる)

1955年6月8日生まれ。76年8月、大学を中退し焼き鳥屋を創業。福岡を中心に居酒屋など飲食店を多数展開。趣味はハーレーでのツーリング。

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