2024年04月20日( 土 )

中国経済新聞に学ぶ~コロナで進化する中国ニューエコノミー(前)

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 人類は災難が降りかかるたびに、いつも社会の進歩によってその損失を埋め合わせてきた。現在、新型コロナウイルス感染による肺炎が中国経済を直撃しているが、危機のなかにはチャンスも潜んでいる。

 インターネットとビッグデータの技術に支えられて、この思いがけない感染拡大のなかでも、人々のデジタル化へのニーズに火が付き、一部のオフラインの生産活動、生活スタイル、消費のシーンがオンラインヘと急速に移行し、ネット関連企業は流れに乗って業績を上げ、デジタル経済をはじめとするニューエコノミーが感染による「穴」を急速に埋めていき、経済を力強く担うとともに強いパワーを示した。

生活スタイルが全面的に「オンライン化」、ニューエコノミーが急速に「穴埋め」

 感染拡大が多くの人の消費習慣を変え、オンラインショッピング、オンライン診療、オンラインレッスン、テレワーク、オンラインエンターテインメントといったデジタル経済の新業態が、感染対策の時期における中国国民の日常生活になった。家に閉じこもっているため、食品デリバリーとECのニーズが増大し、なかでも生鮮食品を扱うECの受注量の増加ペースがもっとも速い。過去数年間のデータでは、生鮮ECの春節(旧・正月)連休期間の売上は普段よりもやや減少するのが常だったが、今年は感染状況の影響で、同時期の受注量が一気に増加し、「野菜のオンライン購入」の人気が急上昇し、真夜中に争うように購入したり、予約注文がすぐにいっぱいになったりする現象が起きた。そこでプラットフォーム側は企業間で人的資源を分け合う「ワークシェアリング」、時間帯別の受注、在庫の大量準備などの手段を駆使して対処せざるを得なくなった。

 感染が拡大するなか、医療・ヘルスケア分野は動きがもっとも速く、需要増加のもっとも直接的な起爆点にもなっている。武漢協和病院や上海同済病院などによるインターネット病院プラットフォームが、オンライン受診サービスを開通した。ネット医療関連企業、たとえば阿里健康、平安好医生、丁香医生などのプラットフォームもオンライン公益受診サービスを開通した。阿里健康のデータでは、1月30日までに、オンライン公益受診の累計訪問ユーザー数は280万人を超え、協力する医師は1,000人以上となり、オンライン公益受診を担当した医師1人の1日当たり受け入れ患者数は100人を超えた。

 各地で大学、高校、中学校、小学校の授業再開が延期され、「授業はなくても勉強をやめるわけにはいかない」という理念に基づき、多くの学校や教育機関がオンライン教育産業の企業との新たな提携を探る方針に転換し、オンラインで授業をライブ配信するモデルを
相次いで打ち出した。子どもを教育機関に連れて行くことができずに「焦り」を感じている親たちがオンライン教育に次々と切り替えたため、オンライン教育の顧客獲得コストが大幅に低減される結果になった。

(つづく)


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(後)

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