ライオンズマンション春日公園の設計偽装　当社より福岡県へ質問書を送付！

　当社ニュースサイトNet I･B Newsでは、5月、福岡県大野城市の分譲マンション「ライオンズマンション春日公園」の設計偽装に関する構造設計一級建築士・仲盛昭二氏の指摘について報じた。
（Net I･B News「ライオンズマンション春日公園～設計偽装に関する大京の回答」）
　当社特別取材班は、ライオンズマンション春日公園に関する大京の回答を踏まえて、建築確認行政である福岡県の建築指導課長に対し 質問書を送付した。
（質問書は以下の通り）

福岡県建築都市部 建築指導課長様

令和2年6月10日

（株）データ・マックス
福岡市博多区中洲中島町2-3-8F
TEL：092-262-3388　FAX：092-262-3389
URL：http://www.data-max.co.jp/

質 問 書

　当社は福岡市に本社を置く企業調査会社で、ニュースサイト「NetIB-NEWS」（http://www.data-max.co.jp/）にて記事を配信しております。
（株）大京が分譲した福岡県大野城市内の分譲マンション「ライオンズマンション春日公園」（分譲・設計者とも大京）に関して、構造設計一級建築士 仲盛 昭二氏が設計の偽装を指摘され、当社は、仲盛氏の指摘に基づき、分譲会社である大京に対し質問書を送付し、回答をいただきました。（関係資料を同封しています）

　仲盛氏の指摘は 同マンション住人および近隣住民の生命に関わる重大な事項であるにもかかわらず、大京からの回答は「検査済証の交付を受けている」という的外れな回答でした。
　建築確認担当行政である福岡県にお尋ねします。

【質問1】
　検査済証は、大京が主張するように設計の法適合性を証明するものではなく、図面と施工の整合性を証明するものであると思います。設計の法適合性を証明するものは建築確認済証であると考えます。福岡県の見解としては、設計の法適合性を証明するものは建築確認済証であると お考えになりますか？

【質問2】
　SRC造において、張間方向に鉄骨が存在しない架構の場合、張間方向の保有水平耐力計算は、低減されたSRC造のDs値（構造特性係数）ではなく、RC造のDs値を用いた計算をしなければ 法令規準違反になります。しかし、ライオンズマンション春日公園では、RC造のDs値ではなく 低減されたSRC造のDs値（構造特性係数）を用いた計算不正な構造計算が行われています。
　これは不適切な設計ですか？　適切だというのであれば、その根拠を示して 具体的な説明をお願いいたします。

【質問3】
　ライオンズマンション春日公園は 1階鉄骨柱脚が非埋め込み形であり、1階の構造特性係数（Ds）をRC造の値としなければならないところ、SRC造として低減されたDsにて計算が行われています。
　これは不適切な設計ですか？　適切だというのであれば、その根拠を示して 具体的な説明をお願いいたします。

【質問4】
　1階鉄骨柱脚が非埋め込み形の場合、1階鉄骨柱脚の鉄量は柱頭の鉄量と同等以上でなければならないと定められています。しかし、ライオンズマンション春日公園の1階柱脚の鉄量は柱頭の47％しかなく、規定に対して53％も不足した状態となっています。
　これは不適切な設計ですか？　適切だというのであれば、その根拠を示して 具体的な説明をお願いいたします。

　上記の質問は、ライオンズマンション春日公園が 解体・建替を要する違法建築であることを踏まえた質問です。
　恐れ入りますが、質問に対するご回答は、令和2年6月24日必着とし、上記当社担当者宛に 文書にて郵送願います。

　当社特別取材班が福岡県に送付した質問書は以上の通りである。福岡県からの回答が届けば、仲盛昭二氏の意見を聞いてみる予定である。福岡県には行政として客観的かつ合理的な回答を望む。

【桑野　健介】