豊洲市場裁判、東京地裁は原告仲卸業者の請求を却下 原告は控訴の予定
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仲卸業者5者が原告となり 東京都に豊洲市場水産仲卸棟の除却・建築基準法違反の是正を求めていた裁判の判決が、9月17日(木)午後1時30分から東京地裁419号(清水知恵子裁判長)にて言い渡された。清水裁判長は「原告の請求を却下する」と主文を読み上げ、即座に退廷した。退廷する清水裁判長の背に傍聴席から何人もの弾劾の声が浴びせられた。
予想された判決とはいえ、実質的な審理を行わないまま、原告の請求を却下した理由は、16日にNet I・B Newsで報じた通り、被告東京都が 本裁判の準備書面において「1階柱脚の鉄量が41%不足していること」を認めてしまったため、東京都に不利な状況で審理を進めれば東京都に不利な判決を書かざるを得なくなるため、裁判所は、実質的な審理に入ることなく、即結審という暴挙に出たのである。
「却下」という判決を受け、原告である仲卸業者は直ちに控訴に踏み切ることを決定した。豊洲市場においては、本裁判で原告が主張した建築基準法違反以外にも、多くの事象が問題となっている。
場内の地下水位が基準(1.8m)を超えている箇所が80%を超えている。地下水位が高いため、豊洲市場の重大な問題である土壌内の大量の有害物質が地表近くに上がってくる。(実際に観測井戸で検出)
地下水位が高いことが原因なのか、豊洲市場の敷地内では、地盤の沈下、亀裂、隆起などの異常が続発している。市場施設が建築基準法違反で耐震強度不足であり、かつ市場の敷地内のいたるところで地盤の沈下、亀裂、隆起が生じているため、新しい市場に希望をもって築地から移転した市場関係者の多くが大きな不安を抱いている。
「安心して仕事ができる築地に戻りたい!」このような声が市場関係者から多く聞かれており、東京都に対して豊洲市場の除却・建築基準法違反の是正を求めていた本裁判には大きな期待が寄せられていた。しかし、市場関係者の期待も虚しく、司法が行政に忖度した判決となった。原告は控訴するということなので、東京高裁には司法の使命をはたしていただきたいと願うものである。
【桑野 健介】
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