2024年04月19日( 金 )

中国経済新聞に学ぶ~カラオケ利用者の中心は若者から高齢者へ

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 80後(1980年代生まれ)と90後(90年代生まれ)にとって、カラオケは皆の心のなかにある共通の記憶だ。しかし、ここ2年ほどはカラオケに行く80後と90後が減少し、若者の娯楽スタイルに変化が生じている。

 2月26日の午後、広西壮(チワン)族自治区南寧市のカラオケ店をいくつか取材したところ、かつて隆盛を誇ったカラオケが今では若者が真っ先に集まって遊ぶ場所ではなくなった一方で、中高年が新たな顧客層になっていることがわかった。

 シニア市民の譚さんは、「自分が行く時間帯に見かけるのは高齢者ばかり。カラオケは今や高齢者の娯楽で、値段も安い。この値段が下がったという点が重要だ」と指摘する。

 一方、00後(2000年代生まれ)の黄さんは、「春節(旧正月、今年は2月12日)の連休期間に、微信(WeChat)のグループでカラオケに行こうと提案しても、友人たちは全然乗り気でなく、結局リアル密室脱出ゲームに行くことになった。今のカラオケは家族で行く場所であり、若者が行く場所ではない。友人と行くことはほとんどなくなった」と話している。

 あるカラオケ店に行くと、3階建てで40数室あるボックスは5室しか埋まっておらず、歌っているのはシニア合唱団の人がほとんどだった。張明孟マネージャーの話では、「午後の料金はわずか数十元と安く、経済的にも時間的にも、カラオケはリタイアした高齢者にぴったりの娯楽スタイルだ。高齢のお客様は早起きしてトレーニングし、終わったら朝ご飯を食べ、食べ終わるとちょうどいい時間になるのでカラオケに行く。それから夕方の4時過ぎか5時まで歌って、歌い終わると家に帰って晩ご飯をつくるという生活をしている」という。

 新型コロナウイルス感染症の影響に、若者の娯楽スタイルの変化が加わって、カラオケ産業の経営は非常に苦しくなり、来店客が全体で70~80%も減少した。多くのカラオケ店が経費を抑えた経営を余儀なくされている。

 中国の業界関係者の分析によると、80後と90後はカラオケ産業を支えてきた主要な消費者層だが、今では家庭と仕事にエネルギーの大半を取られ、少年少女時代のような情熱でスター歌手を追いかけることはないという。さらに、オンラインゲームやSNSなどが、より多彩な娯楽スタイルを提供するようになったことも背景にあるとしている。


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