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2021年04月20日 16:52

シャンプー選びの悩み、DtoCパーソナライズが解消(前)

商品が多過ぎて選べない悩み

 現在販売されているシャンプーは1万種類以上といわれる。これまでは評判が売れ行きを左右し、販売戦略ではクチコミや商品レビューが重視されてきた。しかし、買う側からすると「商品や情報が多すぎて、どのシャンプーが自分の髪に合うのかわからない」と感じ、自分で探すよりも合うものを選んでほしいというのが本音だろう。

 ヘアケアは約4,400億円の市場規模であるが、髪質や悩みは人それぞれ違うため、売上高1位の商品でもシェアは約5%と小さい。

Sparty(株)MEDULLAユニットディレクターの上原涼子氏
Sparty(株)MEDULLAユニットディレクターの上原涼子氏

 (株)Sparty の代表取締役・深山陽介氏は2018年5月、髪の悩みやなりたい髪のイメージに合わせてカスタマイズしたシャンプー「MEDULLA(メデュラ)」の通販事業を開始。髪に悩む家族がシャンプーを次から次へと試すのを見て、自分に合ったものと出会えない「シャンプー難民」の存在に気がついたことがきっかけという。

 MEDULLAの累計販売数は100万本以上、累計会員数は30万人(21年1月)で、主な利用者は25~30歳の女性。同社のMEDULLAユニットディレクター・上原涼子氏は、「『自分の髪に合う』というお客さまの声が多いですね。購入しているのはヘアケアについて詳しい美容オタクの層ではなく、ドラッグストアでシャンプーを選ぶ普通の女性。新製品を次々と試すよりも、『自分に合っている』という納得感のある買い物をしたいと感じているようです」と語る。

MEDULLAのヘアケア商品
MEDULLAのヘアケア商品

コロナ禍で新規ユーザーが増加

 同社は、ユーザーがオンライン髪診断でスマホから10の質問に答えると、髪質やなりたい髪のイメージに合わせてパーソナライズ化したシャンプー「MEDULLA」を製造し、届ける仕組みをつくった。美容室や百貨店でアドバイスを受けて、化粧品を選んで買う仕組みをオンライン化したのだ。

   
   初回はSNSなどのウェブ広告を見て、髪質や悩みに合うシャンプーを求めて購入するケースが多いという。新しいものに変えるときは、つい香りや使い心地をお店で試したくなるが、上原氏は「初回は約50%オフのお試し価格で購入できて、髪質に合わなければ返金できるため、ウェブで見つけてそのままオンラインで購入して試す人が多いですね」と説明する。

 実際に試してみたい人や髪診断に悩む人に向けて、直営の有楽町マルイ店(東京都千代田区)を展開するほか、全国500店舗のヘアサロンと提携するなどオフラインの場も用意している。

 「コロナで緊急事態宣言が出る前の20年1月に比べ、21年1月は累計会員数が3倍以上に増えました。外出自粛でお店に行くことを控える動きが広がったため、お店や美容室に行って商品を選ぶ楽しさがなくなってしまい、スマホで心ときめく買い物をしたい人が増えたのです。家で過ごす時間が増えて『おこもり美容』が伸びていることも理由でしょう」(上原氏)。

 化粧品選びは効果の実感のほか、「合う」「使い心地」「仕上がり」「見た目が素敵」など感覚的なもので決まるため、その選び方は、スペックや性能が大きなウエートを占める電化製品などとは真逆だ。

 「MEDULLA」は気分や季節に合わせて選んだ好きな香りでヘアケアできることや、髪診断から購入、梱包の開梱、バスタイムでの使用、ヘアケアのアドバイスまで、心がときめく瞬間が満載なこともユーザーが増えている理由とみられる。

(つづく)

【石井 ゆかり】

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