西部ガスHD・「パピオアイスアリーナ」再開の「英断」
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西部ガスHDが休館中のスケートリンク「パピオアイスアリーナ」の営業再開に向け、福岡県と福岡市に支援要請を行った。
施設維持負担の大きい同施設の累損は約20億円に拡大。また、開業して30年以上経っていることから老朽化が進み、施設の改修工事が必要となっていたものの、改修工事費用約5億円を単独で捻出することが困難な状況だった。
2021年7月から休館していた同施設の存続をめぐっては、署名運動や福岡県スケート連盟によるクラウドファンディングが行われるなど、営業再開を求める声が高まっていた。
組織再編やガス依存のポートフォリオからの脱却を進めていた西部ガスHDだが、ウクライナ問題が発生。LNGを輸入する「サハリン2」の動向が不透明ななか、本業では厳しいかじ取りを迫られている。こうしたなかでの支援決定は平時とは次元の異なる英断といえる。市、県ともに支援に前向きな姿勢を示すが、仮に改修費に自己負担がなかったとしても、光熱費負担の大きい九州地区において年間での黒字化は不可能に近い。公共機関に委ねてしかるべき事業だが、苦境下での今回の決断は、地域にはたす貢献度が極めて高い。
【鹿島 譲二】
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