2024年12月13日( 金 )

新天町&パルコ&西鉄福岡駅ビルが一体再開発へ

記事を保存する

保存した記事はマイページからいつでも閲覧いただけます。

印刷
お問い合わせ
法人情報へ
「まちづくりのイメージ」(福岡市配布資料より)
「まちづくりのイメージ」(福岡市配布資料より)

 福岡市の再開発促進プロジェクト「天神ビッグバン」のエリア内ど真ん中にある新天町商店街やパルコなどが、ついに一体的な再開発に向けて動き出した──。

 新天町商店街商業協同組合および(株)新天町商店街公社、(株)パルコ、西日本鉄道(株)、(株)三井住友銀行の5者は11月30日、福岡市に対して「(仮)天神二丁目南ブロック駅前東西街区プロジェクト」についての計画概要書を提出し、受理された。プロジェクト推進にあたって、容積率緩和の適用などのインセンティブが受けられる天神ビッグバンボーナス(天神BBB)の取得を目指してのもの。プロジェクトの対象エリアは、新天町商店街やパルコ、西鉄福岡駅ビルなどにまたがる約2.2haで、東街区と西街区の2つの街区で構成され、低層部には商店街・商業施設などが入る方針。プロジェクトの開業は2030年度を目指している。

 今回、再開発されるのは、パルコ本館・三井住友銀行(1936年竣工[三井住友銀行部分は56年竣工])、パルコ新館(76年竣工[地上部は2014年竣工])、新天町ビル(68年竣工)、西鉄福岡駅ビル(61年竣工)、新天町商店街(54~66年竣工)の5つのビル・商店街。いずれも築46~86年が経過しており、建物の老朽化が進んでいた。そのため前出5者では、将来にわたって安心・安全で賑わいのあるまちづくりを実現していくために、「天神二丁目南ブロック駅前東西街区都市計画推進協議会」を設立。耐震性の向上などに向けた再開発への検討を進めてきた。

 発表された将来構想のイメージでは、現状は細分化されている街区の再編を実施。新天町商店街内を南北に通るメルヘン通りを残しつつ、通りの東側を東街区、西側を西街区としてそれぞれ大型複合施設を開発していく。東街区には広場空間を整備するほか、両街区の天神サザン通りに面した地上部にはゆとりある歩行者空間を創出。街の緑化や「Fukuoka Art Next」の推進などにも寄与する、天神の中心地としての立地ポテンシャルを生かした新しい文化・芸術を感じられる複合施設としていく方針となっている。

 なお、天神BBBを受けられるビルの竣工期限は、26年12月末まで。そのため本来であれば、30年度開業予定の同プロジェクトは竣工期限に間に合わないことになるが、市では複数街区にまたがる段階的および連鎖的な建替え計画の期限については個別に判断するとしており、今回は特例的に天神BBBを受けられる公算が高い。

福岡市配布資料より
福岡市配布資料より

【坂田 憲治】

関連キーワード

関連記事