【癒着の福岡県政】自民や民主など県政与党会派議員は問題と無関係ではない
福岡県や県議会の高額海外視察などの経費が、不透明な公金支出に当たるとの批判や、正副議長就任時に自民党県議団幹部に高額な金銭を支払う慣習が行われてきた疑惑への追及の声が高まっている。来年4月の統一地方選が近づくなか、自民党県議団をはじめとする県政与党4会派の若手・中堅議員の間で動揺が起こっている。
27日は、蔵内氏の地元・筑後市議会で海外視察に関する意見書が全員賛成で可決したほか、自民党県議団幹部への正副議長就任にあたり金銭授受が行われたことを証言した吉松源昭・江藤秀之両県議の記者会見が行われた。同日、自民党県議団の会派会合も行われ、総会前に自民党県議団の若手県議8人が疑惑解明に向けて日弁連のガイドラインに沿った第三者委員会の設置検討を求める意見書を松尾統章県議団会長に提出した。
西日本新聞は、「福岡県議会現金授受疑惑、自民若手が〝反旗〟」という見出しで自民若手県議の意見書について報じたが、反旗を翻した若手という見方には疑問がある。これまで議論がなく、むしろ「マスコミがおかしい」などと自民だけでなく民主会派などの県議も責任転嫁していたことがおかしいのである。マスコミ批判していた県議は自民・民主など若手もいた。
松尾会長は総会において「とくに若い期の先生方は無関係にもかかわらず、選挙が近いなか、地元で厳しい声が出ている。また県民の信頼を損ねた。責任を感じる」と述べたが、県民の怒りはすさまじいものがある。自民党県議団をはじめとする県議のSNSには、福岡県議会の問題に関する地元有権者などの厳しいコメントが数多く寄せられている。
夏休みでお盆前の時期ということで、地域の夏祭りが開催されているが、福岡県議が夏祭りなどに出席すると、子ども達も見ているなかで「あんたもカネをもらったりしていたのか」などの批判や質問が出て、直接、金銭授受に関与していない県議は困惑するばかりで「来年の選挙が心配」との声が聞かれる。
これまで政治記者として福岡県政を見てきたが、自民だけでなく、他の主要会派の県議の発言に疑問を感じることが数々あった。
23年4月の県議選で当選した立憲民主党所属のA県議と、2年前、電話で話した際に「お金がどんどん出ていく」と述べたので「県議だからいろいろ会合が多いのでしょう」と応じると「蔵内先生のワンヘルスの会合に何万円も要する」と語っていた。そして、「会派でも推奨されていて出席しないわけにはいかない」という。
会派とは、立憲や国民民主党・社民党・無所属の福岡県議で構成する民主県政県議団である。国政では自民党と対峙する立場にある。
A県議は6月にホテルニューオータニ博多で開催された「FAVAワンヘルス福岡オフィス(FOF)蔵内勇夫所長世界獣医師会会長就任記念 FOFを支援する集い2026」にもメッセージを寄せていた。A県議だけでなく、多くの民主県政県議団の県議がメッセージや祝電を出している。
同じく民主会派のB県議は、県議会の問題がクローズアップされるようになって「西日本新聞の報道はひどい」と述べたほか、「オールドメディアは偏っている」という趣旨の発言をした民主会派のベテラン県議もいた。
以前から感じていた福岡県議会のおかしさは、県政与党4会派のなかで談合して決めていることや、過剰なまでの蔵内氏や自民党県議団に対する忖度である。昨年のことだったが与党会派・新政会のA県議は県民が提出した陳情書に対して、「大事な問題とは思うが、自民党が了承しないと委員会で発言できない」と述べたこともあった。
福岡県議会では、陳情書は委員会に送付するのみで採決は行わない。ただし、委員会において正副委員長が「何か陳情に対して意見はありませんか」と述べ、出席している議員に発言を求めることが慣例となっている。陳情に対してさえ、自民党が許可しない限り発言できないのである。一体、誰のための県議会なのだろうか。
当社は福岡県政記者クラブに加盟していないメディアだが、福岡県議会問題は、長年のオール与党体制に問題の根源があることを指摘してきた。今回紹介した県政与党会派内の自民党や蔵内氏に対する忖度ぶりはその一端に過ぎない。
福岡県議会の正常化には、なお時間がかかるだろうが、直接金銭授受に関与していない県議も、「蔵内先生のおかげで」と述べるのが当たり前になってきた。自民幹部の御機嫌を損ねないよう民主など主要会派も配慮してきたことを根本から改めない限り、同様の問題は続くのではないか。
【近藤将勝】








