2024年05月06日( 月 )

事業承継M&A(売却)を悔やむ元オーナー

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 建設工事会社を40年経営したAが会社を売却したのは2年前である。今となっては売却したことを悔やんでいる。「当時は事業経営を継承できる人材がいなくて会社売却の選択は正しいと思っていた。しかし、今は間違いだったと後悔している。何が問題かというと、大手の行動パターンが「売れ!売りまくれ!」という販売至上主義なのだ。そんなことも知らなかった己の浅はかさを今さらにして思い知った」という。

 Aは得意先に貢献することを仕事の信条としてきた。売り先は中小零細企業が多い。業務の一部を代行してあげたり、業界の時代の流れを勉強する集まりを積極的に組織したりするなどしてきた。得意先の役に立つ営業をするという主義をもっていた。だからこそ商品も高く売れた。ところが買収した企業は大手である。逆に「いらないこと(お客へのサポート)はするな!」を信条として、「お客は売りつけ先」と決め込んでいる。営業マンたちの評価はすべて売りつけた総額で決まる。サポートで手を抜いても、売りまくれば、安く売っても許されるのだ。こんな性悪の大企業が人材不足にかこつけて跋扈するとは、悔しい!

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