【世界金融恐慌が起きるか】(1)ある国王の悩み
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隠し資産は何処に
スイスが金融国家としての信用基盤を確立するために、長い歴史の道程があったことは周知のことである。世界の超富裕層が絶大なる信頼をもってスイスに隠し資産を預けてきた。100億円、1000億円の単位ではない。1兆円を超える預金の例も珍しくなかった。国民総軍事体制を構築している本当の狙いは「自立国家を持続する」ということではなく、「この独立国家維持を通して富裕層が安心して資金を預ける」強固なブランドづくりが目的であったのだ。
アジアのある王制国家の秘書トップはおおいに悩んでいる。「5兆円」といわれる資金をスイスに預けているが、「従来通りの預金の在り方で大丈夫か」と悶々としているである。その気持ちは十分に理解できる。スイス2番手の銀行であるクレディ・スイス銀行の経営が破綻してしまったからである。この王制国家にライバル金融機関が強引にアプローチしてきている(次号で触れる)。スイスにおける金融国家としての基盤が瓦解寸前にあるといえる。
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